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アジアゾウ「ヴィドゥラ」と「アマラ」の夜間放飼
 └─2018/10/19

 多摩動物公園には「アヌーラ」(オス、推定65歳)、「アマラ」(メス、13歳)、「ヴィドゥラ」(オス、11歳)という3頭のアジアゾウがくらしています。

 昨年(2017年)10月にアヌーラが新しいアジアゾウ舎に引っ越したことはお知らせしましたが(ニュース)、アヌーラが引っ越した後のアマラとヴィドゥラのようすをお伝えします。

 2012年にスリランカから来園して以来、24時間いっしょに過ごしていた2頭は、アヌーラが引っ越した後の12月から、夜間別々の部屋で過ごすことになりました。これは成長して体の大きくなったオスのヴィドゥラが、アマラに対していわば“プレッシャー”をかけるようすが見られるようになったため、夜間アマラにはゆっくり過ごしてもらうためです。

 当初は2頭とも少し落ち着かないようでしたが、新しい状況にもすぐに慣れ、それぞれ横になって寝る姿も見られるようになりました。

 また、2014年から夏の間だけ、アヌーラを夜間運動場に出していましたが(ニュース)、アヌーラ引越しの後、初めての夏を迎えた今年、アマラとヴィドゥラも夜間放飼を試みることにしました。

 夜間放飼の基準は「夜間の最低気温が15℃を下回らない時期」です。日々の気温が上がってきた2018年6月16日、いよいよ始めることになりました。

 夜間放飼は2頭同時ではなく1日交替でおこないます。1頭は外に出し、1頭は室内で過ごします。夕方2頭を室内に入れた後、運動場の掃除を終えてからえさを置き、初日はヴィドゥラを出しました。2頭とも初日は担当者が泊り込み、夜間観察をすることにしました。


夜のヴィドゥラ

 外に出たヴィドゥラはやや落ち着かないようでしたが、えさも食べ、数十分横になる姿も初日から見られました。一方、初日のアマラはえさにほとんど口をつけず、一晩中うろうろ落ち着かないようすでした。「初日だしなぁ……」と思っていましたが、数回繰り返してもアマラは外ではほとんどえさを食べず、落ち着く気配が一向に見られません。ヴィドゥラは横になる時間も徐々に増え、多い日には3~4時間の横臥姿勢が見られるようになりました。そこで、今シーズンの夜間放飼はヴィドゥラのみとすることにしました。

 今年の夜間放飼は10月13日で終了し、現在は2頭とも室内で夜を過ごしています。アジアゾウを夜の運動場に出すのは閉園後なのでご覧いただくことはできませんが、毎年開催している8月の「サマーナイト@TamaZoo」の時期だけは夜のようすが見られます。ぜひ来年のサマーナイトで夜のゾウたちの行動をご覧ください。

〔多摩動物公園南園飼育展示係 高村里美〕

(2018年10月19日)


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