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レッサーパンダのタオファが母親になるまで
 └─2018/08/24

 2018年6月7日、多摩動物公園のレッサーパンダ「タオファ」が母親になりました。タオファは2015年6月14日に東北サファリパークで生まれ、2017年に多摩動物公園に来園しました。

・記事「レッサーパンダの新しい仲間が来園しました!」2017年4月13日

 来園当初のタオファは警戒心の塊で、どんよりとした暗い瞳をし、大好きなリンゴを与えても人が見ている前では食べず、担当者が部屋の前を通りかかると扉越しに威嚇・攻撃をしてくることもありました。聞いたところによると、直前まで母親といっしょに生活をしていたようで、親離れと見知らぬ土地への移動が重なり、大きなストレスを抱えていたのかもしれません。

 来園から2週間ほど経つと、ようやく人の手からリンゴを受け取るようになり、半年が経つ頃にはレッサーパンダらしいきらきらとした瞳がよみがえりました。季節は冬、レッサーパンダたちの繁殖期です。多摩動物公園で飼育しているオスの「フランケン」(6歳)とタオファの同居を試みたところ、タオファは視界にフランケンが入ると最初はものすごい勢いで追いかけ回していましたが、フランケンの地道な努力もあって日に日に距離が近づき、2018年2月中旬には交尾が確認され、6月7日に出産が確認されました。

・記事「レッサーパンダが生まれました! 母親はタオファ、父親はフランケン」2018年6月26日


生まれた子と母親タオファ(右)

 タオファは出産直後からとても落ち着いて子の世話をしており、子はすくすくと成長しています。生まれたばかりの頃は全体的に灰色だった子の体色もはっきりし、今ではすっかり小さなレッサーパンダです。最近は巣箱の外に出てくることも増え、行動範囲を徐々に広げています。もう少し秋めいてきた頃、タオファ親子の放飼場デビューとなる予定です。

〔多摩動物公園南園飼育展示係 高津磨子〕

(2018年08月24日)


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