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チーター四つ子、それぞれの成長
 └─2018/08/17

 昨年(2017年)6月に多摩動物公園で生まれたチーターの四つ子(オス1頭、メス3頭)について何度かお伝えしてきましたが、最近のようすをご紹介します。

 四つ子は昨年11月に「ガラス放飼場」にデビューした後、きょうだいで追いかけっこをしたり、取っ組み合いをしたり、活発に過ごしてきました。しかし、激しい追いかけっこなどの影響もあってか、足を痛めて一時休養期間ももうけました。休養後は体も一回り大きくなり、ガラス放飼場が手狭になったため、2018年5月末から「ブランカ」「マルタ」「レリア」のメス3頭を一足早く大放飼場に出し、環境に慣れさせる練習を始めました。

 休園日を利用し、まずガラス放飼場を通って大放飼場に出る練習から始めました。ガラス放飼場ではすっかり慣れたようすで過ごしていた3頭も、見たことのない環境に腰が引けてしまい、出て行こうとしません。しばらくするとブランカとレリアがようすを見に出ていきましたが、マルタはなかなかガラス放飼場から動こうとしませんでした。性格の違いが垣間見える瞬間でした。

大放飼場に出る練習中、警戒しながら集まったメス3頭
大放飼場探索中のオスのレン

 やっとのことで大放飼場に出た3頭でしたが、観覧通路から観察している飼育係や慣れない環境、また周囲の音などに警戒してしまい、放飼場の奥の方で動かなくなってしまいました。その後も3頭はお互い離れずに過ごし、室内に入るまでほとんど動くことはありませんでした。

 その後約2週間、開園前に出入りの練習をおこない、6月半ばから展示を開始しました。数日は警戒していましたが、今ではすっかり慣れ、チーターらしい伸びやかな動きで追いかけっこをする姿が見られます。

 唯一のオスの「レン」も8月末に1頭で大放飼場に出る練習を始めましたが、持ち前の性格によるものか、初日から大放飼場にほとんど動じることなく過ごしていました。

 ただし、これまでガラス放飼場にいたレンは、自分より小さい動物を獲物と思う性質によるものと思われますが、来園者の中に子どもを見つけると興奮し、夢中になってガラス越しに追いかけます。大放飼場とガラス放飼場を行き来できるようにしておいても、レンは来園者の子どもを追いかけることに執着し、大放飼場にほとんど行かなくなってしまいました。

 しかし、レンの体の成長のためには広く起伏のあるスペースでの運動が欠かせないと考え、大放飼場飼のみに出すことにしました。まだ少し警戒しているようすも見られますが、子どもの成長と環境への適応のスピードは目を見張るものがありますので、今後の過ごし方も変わってくると思います。

 足を痛めた影響もあり、全頭いっしょの経過とはなりませんでしたが、4頭とも日々たくましく成長しています。今後もチーター四つ子の成長を見守ってください。

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〔多摩動物公園北園飼育展示係 佐々木悠太〕

(2018年08月17日)


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