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キリンの出産でにぎやかになったサバンナ
 └─2018/06/01

 多摩動物公園アフリカ園のサバンナでは2018年4月19日、キリンの出産がありました(お知らせ)。生まれたオスは「ジャック」と命名しました。ジャックの父親は「ジル」(5歳)、母親は「アオイ」(20歳)。アオイにとっては5回目の出産です。


ジャックと母親アオイ(2018年5月23日)

 ジャックは生まれてから約1時間後には起立し、歩行したり母親の授乳を受けたり、健康なようすでした。その後も元気に育っています。母親アオイはベテランママらしく、非常に落ち着いた子育てをしています。係員が隣で作業していても、アオイが何ごともないかのように振る舞うおかげで、ジャックも係員に対する警戒心が和らぎ、なにかに驚いて急に動いてケガをする心配もありません。

 去年(2017年)の今ごろ、キリン舎整備の準備のため、グレビーシマウマやシロオリックス、ダチョウを園内外に移動したり搬出したりししたため、サバンナはキリンとペリカン(モモイロペリカンとコシベニペリカン)だけになりました。また、下草を食べる動物がいなくなったため、雑草が生い茂るようになり、1年前とはかなり違う風景となりました。

 動物の引越しが終わった当初は、種数が減った影響でやや寂しい印象でしたが、昨年10月、11月、12月と立て続けにキリンの出産があり、今回のジャックの誕生でさらににぎやかで活発な動きのある展示となりそうです。また、ジャックの誕生によって、キリンは2002年春以来16年ぶりに合計15頭になりました。


ジャック(手前)を気にするこどもたち。後ろは右からジュア、ジュリー、アイ(2018年5月28日)

 多摩動物公園では小さいキリンの子どもがグレビーシマウマに追われたり咬まれたりするのを防ぐため、出産後しばらくは親子だけで過ごさせ、ある程度体が大きくなる生後約60日を目安に群れに入れていましたが、今はその心配はなくなり、これまでより早い日数(生後40日前後)で群れ入りできるようになりました。その結果、今までよりも小さいキリンを間近で見られるようになりました。

 15頭のうち7頭は3歳未満、さらにその7頭のうち4頭は1歳未満の子どもです。キリンの授乳期間は約1年ですが、これだけ子どもがいると、母親が自分の子どもに授乳しているときに違う子どもが飲みにくることも多く、結果として2~3頭が授乳している光景も見られます(ちなみにキリンには乳首が4つあります)。


静かに座って過ごすキリンたち(2018年5月23日)

 現在、国内の動物園でキリンを10頭以上飼育している園館は多摩動物公園だけですが、今は子どもが多いので、数だけではない、さまざまな魅力に満ちた展示が実現しています。まもなくジャックも群れ入りデビューの予定です。母乳争奪戦の激しさが増すこと必至です。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 清水勲〕

(2018年06月01日)


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