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募金でできたタスマニアデビル自動給餌機:現地からの報告
 └─2018/06/01

 タスマニアデビルは現在、オーストラリアのタスマニア島にしか生息しておらず、「タスマニアデビル顔面腫瘍病」や交通事故によって野生個体は数が減っています。

 タスマニアデビルを飼育展示している多摩動物公園では、2017年6月15日からミニ企画展「What’s タスマニアデビル?」を開催し、12月28日までタスマニアデビル保全のために募金を呼びかけました。多くの方にご協力いただいて集まった74,963円は、タスマニア州政府が取り組んでいる「セイブ・ザ・タスマニアデビル・プログラム」に寄付をしました。ご協力いただいた方々に、あらためてお礼申し上げます。

 そしてこのたび、「セイブ・ザ・タスマニアデビル・プログラム」のプログラム管理者であるデービッド・ペンバートンさんから募金の使用状況についてご連絡をいただきました。日本語に訳してご紹介します。
 多摩動物公園の来園者からいただいた募金をもとに、タスマニアデビルの自動給餌装置の試行品が完成しました。テストをしたところ、うまく動いてくれました。

 この自動給餌装置は、野生復帰したデビルのロードキル(交通事故死)の危険を減らすために作りました。野生に戻したタスマニアデビルのためのえさは、これまで飼育係が車で運んでいました。その結果、車とえさの関係を覚えたデビルが車に近づき、交通事故にあう可能性が高かったのです。

 自動給餌装置は、人間や乗り物などには反応しないように設計されています。また、太陽電池を使った装置によって、ふたが開く時間を夜間に設定することができます。この装置を使うことで、飼育係は装置に近づくことなく給餌できるので、デビルが車とえさの関係を覚えることもありません。また、夜行性のデビルが本来活動する夜間に給餌できるので、野生の行動をうながすことになります。

 寄付者の方々に大変感謝いたします。
  

【動画】タスマニアデビルのための
自動給餌装置
 「セイブ・ザ・タスマニアデビル・プログラム」では募金を随時受け付けています。活動内容や募金について興味がある方は、公式サイトをご覧ください。

Save the Tasmanian Devil Program 公式サイト

〔多摩動物公園教育普及係 近藤奈津子〕

(2018年06月01日)


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