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新たなタスマニアデビル、オス2頭のデビュー
 └─2017/12/08

 2017年11月7日、オーストラリアのタスマニアから多摩動物公園に、あらたに2頭のタスマニアデビルがやってきました(お知らせ)。いずれも1歳半のオス。1頭は胸と右肩下に少し、お尻に大きな白い模様がある「テイマー」、胸とお尻に指先ほどの白い模様しかなく全身ほぼ真っ黒な「ダーウェント」の兄弟です。この2頭は、昨年来園したメス2頭(「マルジューナ」と「メイディーナ」)と同じく、いっしょにくらせる仲のよい個体ということで選ばれました。

 多摩動物公園での検疫期間を経て、11月15日から展示場で新生活が始まりました。どちらも臆することなく、放飼場に駆け出して行ったので一安心です。

テイマー
ダーウェント
手前がテイマー、奥がダーウェント

 タスマニアからデビルたちと共に来てくださったデービッド・シャープ氏と多摩の獣医や飼育係で放飼場の2頭のようすを見守りました。2頭はあまり人と触れ合わないような飼育施設で育ったということでしたが、展示場に入った職員数人が立つ中に堂々と入って来て人を見上げるテイマー、一方、対照的に遠くの物陰から覗いているダーウェント。兄弟ですが性格の差は明らかです。

 テイマーはとにかく興味のあるものに近寄り、においを嗅いで確認し、人がいれば走り寄って来ます。消極的に見えるダーウェントも、人さえいなければマイペースに行動し、いろいろな物に興味を示しながら動いていました。

人がいても近づいてくるテイマー
食事中の3頭。左がメイディーナ、
奥がテイマー、右がダーウェント

 メスたちはお互いに多少のケンカをした後でも同じ巣箱でなかよく寝ていることが多かったのですが、今回のオスたちは同じ巣箱に入るのはいやなようすで、つねに違う場所で休んでいます。

 2頭の関係を見ているとテイマーの方が強く、ダーウェントと出会うたびにケンカに発展する回数が多くなったため、11月21日からメスのメイディーナと同居させてみました。メイディーナは、数日前に隣にやって来た「侵入者」をやぐらの上から眺めたり、壁越しににおいを嗅ぎあったりして興味津々でしたが、3頭でいっしょになると「ここは自分の場所!」と言わんばかりに行動し、近寄ってくるオスを蹴散らし、追いかけ、ついでに飼育係にも突っかかって来ました。


【動画】食事中の3頭

 そんな感じで12月に入った今は、メイディーナが上に立ち、つづいてテイマー、それからダーウェントという関係で落ち着いています。今後、タスマニアデビルたちの関係がどうなっていくのか、楽しみに見守っていきたいと思います。

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※写真・動画はすべて筆者撮影。

〔多摩動物公園南園飼育展示係 永田典子〕

(2017年12月08日)
(2017年12月09日訂正)


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