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ユキヒョウの子「フク」放飼場デビュー
 └─2017/11/10

 今年(2017年)6月2日に生まれたユキヒョウのオス「フク」が、生後4か月を過ぎた10月12日に放飼場デビューを果たしました。まだ放飼場に不慣れなフクの負担を減らすため、現在、寝室と放飼場の出入りを自由にしたうえで公開しています。


 放飼場に慣らす練習は、デビューの少し前からおこなってきました。練習初日からフクはスムーズに外に出て放飼場を探検していたので、公開後も変わらない姿を見せてくれるだろうと思っていました。

 しかしいざデビューの日を迎えると、たくさんのお客さんに驚いたのか、フクは扉の前から顔を出して固まってしまい、ほとんど姿を現しませんでした。

 これから少しずつ慣れていってくれるだろうと思っていたところ、翌日から連日の雨……。ユキヒョウの子どもの毛はおとなに比べると水をはじかないため、雨の日は外に出せません。少し放飼場に慣れてもまた雨で振り出しに戻る──という状況が繰り返されました。

 一方、神経質なところのある母親「ミミ」は、あたりを警戒したり子を守るような仕草をしたり……といったことはまったくなく、大勢のお客さんにも動じず、久しぶりの放飼場を堪能しているようすでした。さらには、寝室から出てこないフクを優しく呼びに行ったり、ときにはものすごいスピードで寝室に飛び込み、室内でくるっと一回転してからふたたび外に飛び出したり、さまざまな方法でわが子を外に連れ出そうとしているようでした。


 そんなミミの努力(?)が実り、ようやく天候が安定してきた10月の終わり、フクは放飼場にもだいぶ慣れ、長い時間を外で過ごすようになりました。目にするものがすべて珍しく、興味をそそられるようで、草や丸太をかじったり、タイヤに抱きついたり、さまざまな行動を見せています。また、母親のミミが突然フクに飛びかかる姿もよく見られます。狩りを教える大切な時間なのかもしれませんが、ミミはとても楽しそうです。フクを獲物に見立てて遊んでいるだけかもしれませんが……。

 過ごしやすい秋の気候を迎えました。楽しそうに過ごすユキヒョウの親子を多摩動物公園でゆっくりとごらんください。

〔多摩動物公園南園飼育展示係 高津磨子〕

(2017年11月10日)


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