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多摩動物公園のススメ──かんさつシート編
 └─2017/04/07

 先日、知人が多摩動物公園に来園した際、こんなことを言われました。

 「多摩動物公園は広いから、全部まわると疲れるね~」

 このセリフ、本当によく言われます。たしかに多摩動物公園は敷地が広く、坂道も多いので、すべてまわるには時間と労力がかかります。でも、動物園での過ごし方は十人十色。百人いれば百通りの過ごし方があります。そこで、私流「多摩動物公園のススメ」をご紹介します。

 まず、すべての動物を見ようとすると、1種につき5分~10分くらいしかいられません。たった5分では動物たちも“実力”を発揮することができず、去り行く来園者にこう言われてしまうこともしばしば。

 「全然動かないね」

 不憫です……。たった5分で「全然動かない」といわれてしまうなんて。ではどうすればいいのか。答えは簡単です。

  動くまで待てばいいのです! 

 そこでオススメしたいのが、多摩動物公園の「かんさつシート」です。シートを手がかりに動物を観察すると、今まで気づかなかった特徴が自然に見えてくるという優れもの。現在16種のシートがあり、好きな動物を選んでじっくりと観察することができます。もちろん無料です!

かんさつシート
(アフリカゾウ・からだ)
かんさつシート
(アフリカゾウ・くらし)
「動かない」(?)アフリカゾウ

 動物ごとに「からだ」と「しぐさ」の2種類のシートがあります。動物が動かないときは、じっくりと「からだ」の観察をして、動物が動いたときは「しぐさ」の観察をして楽しむことができます。もちろん「解説シート」もあるので、答え合わせもできます。

 ここで「からだ」に関する質問をひとつ。みなさんは、上の写真のアフリカゾウを見てどう思われますか? たしかに「全然動いていない」のですが、よく見ると鼻全体を棒にあずけ、鼻先はダラリとたれさがっています。そもそも、なぜ「動かない」のでしょうか。疲れているのでしょうか。それとも単に鼻が重いのでしょうか。というより「アフリカゾウの鼻」って重いものなの……?

 このように、ただ「動いていない」と見える状態でも、観察のヒントはいたるところに隠れています。かんさつシートでは、そんな「ヒント」をたくさんご紹介していますので、楽しみながら動物について学ぶことができます。

 その上、全然疲れません。同じ動物を観察すれば、たくさん歩かなくてすむのです。私のように歩くのが苦手な方でも大丈夫! いいこと尽くしなのです!

 みなさんもかんさつシートを片手に、多摩動物公園での優雅な観察ライフをお楽しみください。

 ※かんさつシートは、こちらのページでもダウンロードできます。

〔多摩動物公園教育普及係 尹永洙〕

(2017年04月07日)


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