ニュース
多摩へようこそ!チンパンジーの「サクラ」
 └─2017/03/10

 2017年2月22日、多摩動物公園のチンパンジー舎にあらたな仲間が加わりました。高知県立のいち動物公園からやってきた「サクラ」(メス、7歳)です! 来園初日から現在までのようすをお伝えします。

 サクラは前日の晩に高知を出発し、翌22日の午前9時に多摩動物公園に到着しました(陸路15時間)。輸送箱から部屋に移動したサクラは、とくに騒ぐことも無く、部屋の奥でじっとこちらを見ていました。知らない場所に来たことへの不安や緊張、長旅の疲れを感じていると判断し、まずはゆっくりと時間をかけて、多摩の環境や新しい飼育係に慣れてもらうことにしました。

 しばらくの間は検疫(健康チェック)のため、サクラは先住のチンパンジーたちから離れたエリアで過ごしました。初めの数日は飼育係が姿を見せるとサッと部屋の奥に移動したり、身震いをして生唾を飲み込んだり、緊張したしぐさを見せていました。しかし、時間が経つにつれ、飼育係からえさや飲み物を直接受け取るようになり、自分から近づいてきて体を触らせることも増えてきました。採食量も徐々に安定し、えさ入りのおもちゃで遊ぶ余裕も見せるようになりました。

オレンジを食べるサクラ
屋内展示場の擬木にのぼるサクラ

 サクラの健康チェックは問題なく終了し、3月1日には検疫が解除されました。そこで、これまで日中に使っていなかった屋内展示場へサクラを移動させてみました。サクラはキョロキョロと中のようすをうかがいながら静かに屋内展示場に入りましたが、すぐに擬木やハンモックを盛んに利用するようになり、検疫中よりも心なしか楽しそうに見えました。

 この日は休園日だったため、屋内展示場のシャッターを開けて、サクラに外のようすを少し見せることにしました。すると、屋外の展示場で過ごしていたチンパンジーたちがガラス越しにサクラを見に来て……。


サクラを見るためにチンパンジーが大集合!

 ガラス前がチンパンジーで満員になってしまいました(笑)。やはり他のチンパンジーたちも新入りのことが気になっているようです。

 3月4日の夕方から、他個体がいる寝室棟の一室をサクラの寝室にしました。初めて間近で多摩のチンパンジーと対面することになったサクラでしたが、近づいてきた数頭のチンパンジーに対し、格子越しにきちんと挨拶をして、自分が劣位であることを示していました。同居に向けたお見合いを進めていくうえで、このような反応はとても大切です。

 今後もサクラや他のチンパンジーたちのようすを見ながら、じっくりとお見合いと同居を進めていこうと思っています。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 中島麻衣〕

(2017年03月10日)


ページトップへ