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東京動物園友の会企画「昆虫園見学会」を開催しました
 └─2016/06/03

 2016年5月14日土曜日、東京動物園友の会の会員の方を対象に、多摩動物公園で「昆虫園見学会」を開催しました。友の会の昆虫園見学会は11年ぶりです。今回は、昆虫園本館2階の昆虫ホールで「コオロギ相撲」を楽しんだ後、ふだん見られない飼育室など3か所(チョウ、バッタ、テラリウム)を順に見学していただきました。

 コオロギ相撲は、コオロギのオス2匹を闘わせて勝敗を競う遊びです。2匹をケース内でいっしょにすると、おたがいが見合い、触れあったりした後、1匹が退くことで勝敗が決まります。傷つけ合うわけではありません。

 多摩動物公園ではフタホシコオロギという温暖な地方に生息するコオロギを使用しています。参加者の方には飼育容器ごとコオロギをお渡しし、観察してから闘わせます。触角を軽く触ってやると「闘志」が高まり、その後で同じケース内に入れると相撲の始まりです。一瞬で決まることもあれば、五分五分なのかしばらく見合い続けることもありました。


 その後、トーナメント方式で優勝者が決まりましたが、優勝したのは意外にも比較的体の小さなコオロギでした。相手を投げ飛ばすようにしたり、飛び上がって逃げ技を繰り出したり、白熱の試合が繰り広げられ、大いに盛り上がりました。初めのうちはコオロギを怖がっていた子が、最後には「コオロギかわいい!」と言ってくれるようにもなり、このような「遊び」を通じて昆虫の行動を知り、そしてじっくりと間近に接することの大切さをあらためて感じました。


 その後、バックヤードツアーへと向かいました。3班に分かれて少人数での見学です。テラリウム(本館2階)では、外国産のカブトムシの幼虫に触ったり、外国産のサシガメへのえさやりを間近で見てもらいました。バッタの飼育室では、ふだん展示していない個体数の多さに驚かれているようでした。また、特別にバッタの卵鞘を砂の中から取り出して見ていただきました。

 チョウの飼育エリアでは植物を世話する際の工夫や苦労をお伝えし、たくさんの蛹が羽化を待つようすをじっくり見ていただくとともに、幼虫や蛹も直接触って観察していただきました。

 ほかの動物のイベントに比べ、昆虫のイベントは参加者が少なめでちょっと寂しい気がすることもあります。しかし、その分参加者の方の熱意はかなりのものです。今回も小学生のお子さんからご高齢の方まで、さまざまな方が参加され、また、熱心な質問をいただいたりして、担当者一同ほっとしました。

 東京動物園友の会では、ふだん体験できないこうした企画も実施しています。ご入会いただき、いっそう動物園や水族園を楽しんでいただければと思います。

・東京動物園友の会についてはこちらをごらんください

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 片田菜美〕

(2016年06月03日)


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