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チーターの姉妹「デュラ」と「シュパーブ」を単独飼育に
 └─2015/09/29

 多摩動物公園のチーター「デュラ」と「シュパーブ」は2012年11月13日、群馬サファリパークで生まれました。同じ母親から生まれた姉妹です。2014年11月12日、繁殖を目的とした貸借契約(ブリーディングローン)にもとづき、多摩動物公園に来園しました。

デュラ
シュパーブ

 希少種であるチーターは、国内外の飼育園間の連携のもと、将来を見すえた繁殖計画が進められています。多摩動物公園でもチーターの繁殖に成功しており、これまでに他施設との個体のやりとりなどを通じて、チーターの保護増殖に取り組んでいます。

 チーターは本来、一部のオスを除いて単独で生活する動物です。生まれてしばらくは3~5頭ほどの兄弟姉妹がいっしょにくらし、母乳を飲んで育ちます。生後1年から1年半ほど経って狩りができるようになった子は、乳離れして自分で生活するようになります。その後、母親は次の繁殖に向けての行動を開始し、乳離れした一部のオスは2~3頭で生活し、メスは自身が子を産み育てるため、完全に自立した生活を始めます。

 多摩動物公園では、長くチーターの繁殖が見られない時期がありました。しかし、こうしたチーター本来の生態を踏まえた飼育方法を模索した結果、手法を確立し、近年は多くの繁殖成果を上げています。

 方法のひとつは、オスの兄弟以外はすべて単独で飼育するという事です。その結果、メスの発情がうながされます。また、オスは姿の見えないメスの発情をにおいで探そうとして、繁殖に向けた行動が活発になります。なお、チーターが初めて出産を迎えるのは3~4歳、寿命は13~15歳くらいです。

 デュラとシュパーブは2歳で来園し、新しい環境に慣れるまで姉妹でいっしょに生活していました。現在ではすっかり慣れ、健康に成育し、もうすぐ繁殖適齢期を迎えます。

 多摩動物公園では2015年10月からデュラとシュパーブの飼育部屋を分け、本格的な繁殖準備に取り組むことにしました。新たな繁殖に向け、最善を尽くして飼育に取り組んでいきたいと思います。

 これまでは姉妹がいっしょに遊ぶ姿をご覧いただいていましたが、今後は2頭の二世誕生を楽しみに応援してください!

(2015年09月29日)


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