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2015年は9羽のトキが育っています
 └─2015/08/24

 多摩動物公園では、環境省が進めるトキ保護増殖事業に協力するため、佐渡トキ保護センターからトキを預かり、非公開での飼育をおこなっています。2015年は飼育中のトキが産卵し、孵化した9羽がすべて無事に育っています。


今年2015年に生まれたトキ(右)と父親

飼育中のトキのペアについて(すべて佐渡トキ保護センター生まれ)

Kペアオス:2001年5月21日生まれメス:2003年5月9日生まれ
ADペアオス:2004年7月3日生まれメス:2001年4月24日生まれ
Zペアオス:2008年5月24日生まれメス:2008年4月17日生まれ
ATペアオス:2011年4月28日生まれメス:2011年5月26日生まれ


産卵と孵化、育すうの状況

 Kペア、ADペア、ATペアによる9羽が孵化し、全個体が無事に育っています。Zペアは4卵を産みましたが、3個が無精卵、1個は卵が割れてしまいました。Zペアには、仮親としてADペアのひなを預けたところ、無事巣立ちまで育てあげました。最年少のATペアは、初めての育すうに挑戦し、無事に2羽のひなを育てることに成功しました。

No.性別両親産卵日孵化日育すう方法
1オスAD3月24日4月23日ADペアによる自然育すう
2メスAD3月26日4月23日ADペアによる自然育すう
3メスAD3月28日4月25日Zペアによる自然育すう
4オスAD3月30日4月27日Zペアによる自然育すう
5メスK4月3日5月5日Kペア→人工育すう
6メスAT4月19日5月15日ATペアによる自然育すう
7オスAT4月21日5月16日ATペアによる自然育すう
8オスK4月17日5月16日Kペアによる自然育すう
9オスK4月19日5月18日Kペアによる自然育すう
※産卵日はビデオモニターによる確認結果ですが、推定日も含みます。
※自然育すうの場合、孵化後約1週間は人の手で育て、その後で巣に戻しました。

多摩動物公園でのトキ飼育の経緯

 単独の施設で動物を飼育すると、感染症の発生にともない全滅の恐れがあります。トキについても、鳥インフルエンザ等の感染症対策として、複数の施設に分散して飼育しています。
 都立動物園は40年以上にわたって佐渡トキ保護センターにおける飼育繁殖に技術協力をしてきた実績があることから、保全活動の調整機能をもつ野生生物保全センターがある多摩動物公園で、2007年12月からトキを飼育し、毎年繁殖に成功しています。

※環境省の飼育方針により非公開で飼育しています。

(1)日本の飼育状況(2015年8月1日現在。放鳥した個体を除く)
・佐渡トキ保護センター96羽(うち2015年生 6羽)
・佐渡トキ野生復帰ステーション53羽(うち2015年生 5羽)
・多摩動物公園18羽(うち2015年生 9羽)
・いしかわ動物園14羽(うち2015年生 4羽)
・出雲市トキ分散飼育センター 9羽(うち2015年生 3羽)
・長岡市トキ分散飼育センター13羽(うち2015年生 3羽)
・佐渡市トキふれあい施設6羽(うち2015年生 2羽)
合計 209羽(うち2015年生 32羽)

(2)中国の飼育状況
 2013年、野生トキは1,096羽(推定)に達し、北京動物園や陝西省トキ救護飼養センター等の飼育下のトキと合わせて約1,767羽です。((公財)日本鳥類保護連盟資料による)

◎関連ページ
トキ6羽が佐渡トキ保護センターへ(2015年02月05日)
トキ、2014年は7羽が育ちました(2014年08月19日)
希少動物の飼育と保全
保全への取組

(2015年08月24日)


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