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卵を守るタガメのオス
 └─2015/08/21

 日本最大の水生昆虫タガメ。多摩動物公園では6月から7月が産卵の時期です。この時期、オスとメスは水面上に出た植物の茎や杭などにのぼり、交尾して木に卵を産み付けます。


左:タガメの交尾 右:卵を守るタガメのオス

 メスが産卵した後、オスは卵の世話と保護をおこないます。卵が乾燥しないように体や口にふくんだ水をかけ、日差しが強いと体で覆いかぶさり世話をします。

 ふだん、タガメは水面上からの物音や振動を察知すると素早く泳いで逃げますが、卵を保護しているときのオスは逃げることなく、威嚇したりして卵を守ります。夜、写真撮影のために見に行くと、卵を覆い隠すような行動が見られました。シャッター音や振動にも逃げることはありません。


左:孵化したばかりの幼虫 右:タガメ幼虫

 交尾と産卵が見られてから約2週間後、いっせいに孵化が見られました。

 現在、昆虫園本館1階で幼虫を展示しています。孵化幼虫は縞模様ですが、1回目の脱皮を終えると体色はきれいな緑色になります。成虫になるまでの約1か月間しか見られないタガメの幼虫をぜひ多摩動物公園でごらんください。

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 杉田務〕

(2015年08月21日)


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