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アフリカゾウ「砥夢」の成長、体重測定実施!
 └─2015/08/07

 アフリカゾウの「砥夢」(トム)が愛媛県立とべ動物園から多摩動物公園に来園したのは2012年11月。多摩での夏は今年(2015年)で3度目です。今年も暑い日が続きますが、強い日差しの中、砥夢は丸太で遊んだり、水浴びをしたり、元気にすごしています。

 砥夢は来園後、PCウォールと呼ばれる柵を隔てたトレーニングをおこなってきました。また、壁などに擦りつけてできてしまった牙のひび割れを処置するために、先端部を切る作業も実施しています。そのほかにも部屋替えなど、さまざまな体験をしてきました。

 こうして多摩での生活にも慣れ、来園したときに比べて体もとても大きくなりました。さて、そこで気になるのがどれくらい大きくなったのか、ということです。来園時の体重は約1400キロでしたが、約2年半経った今、何キロになっているのか? 体重測定をおこなうことにしました。

 体重測定と聞くと簡単な作業に聞こえるかもしれませんが、ゾウの体重を測るのは大変な作業です。まず、ゾウを測れる体重計を用意しなければなりません。上野動物園のアジアゾウ舎のように、放飼場内の地面に体重計が設置されていればよいのですが、多摩動物公園のアフリカゾウ舎にはそのような体重計がありません。


鉄板の床下に測定器を設置

 そこで、スクイズケージ(狭め檻)の鉄板の床下に自動車の重量を測るマット型の装置を敷いて測ることにしました。装置は点検に出し、しっかりメンテナンスをしてから測定にのぞみました。

 また、体重計のある場所まで砥夢を移動させないといけません。ゾウ舎内には砥夢がまだ行ったことのない部屋や通路があったので、そういった場所に慣れさせる必要がありました。いろいろな事前想定や心配をしていたのですが、砥夢の性格なのか、オスとして自信なのか、驚くくらいに早く順調に新しい場所に慣れていきました。


砥夢を鉄板の上に誘導する

 そして、体重計のメンテナンスが完了した8月3日、いよいよ体重測定をおこないました。事前準備の成果もあり、測定作業は順調に進みました。結果は、約2300キロです。来園時より900キロも大きくなっていました。


体重測定中

 砥夢の体は見た目だけでなく、立派に成長していることがわかりました。また、移動のための事前練習の際には、内面も立派なオスゾウに成長していると感じました。今も移動練習を続けており、オス用の広い部屋にも慣れてきました。今後もいろいろなことに挑戦し、立派な大人のオスに成長してほしいと思います。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 齋藤友樹〕

(2015年08月07日)


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