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日本で最高齢のメスのチンパンジー「ミミー」が死亡しました
 └─2015/07/28

 開園(1958年5月5日)当初からずっと多摩動物公園でくらしてきたチンパンジーのメス「ミミー」が、昨日2015年7月27日(月)死亡しました。

 ミミーはアフリカ生まれの野生個体です。推定59歳でした。7月23日から体調不良となって食欲も失ったため、多摩動物公園では治療を続けていましたが、7月26日に容態が急変しました。その翌27日昼過ぎ、飼育係など職員が見守る中、静かに息を引き取りました。死因は腸炎でした。

 
左:幼少時のミミー 右:最近のミミー。2014年9月15日撮影

 ミミーが上野動物園から多摩動物公園に来園したのは、開園の前日、1958年5月4日でした。5月中にミミー、ペペ、ジャーニー、ベティーの4頭がそろい、当時は「ザ・カルテット」としてステージに登場して人気を博しました。ジュース会社のコマーシャルで記憶されているかたもいらっしゃるかもしれません。

 多摩動物公園では1960年代に入ってアフリカ園サバンナの一角に「チンパンジー島」をオープン。70年代には類人猿舎に「チンパンジー村」での展示、そして2001年には現在の「チンパンジーの森」での群れ飼育・展示をおこなっています。

 ミミーは3頭の子をもうけ、多摩動物公園の群れの基礎を作った個体です。2008年の東京ズーネット記事にはこうあります。

「大人になってもミミーは変わらずとても賢いチンパンジーで、群れの中の順位も高く、怒ると迫力があり、一目おかれています。人間に対して甘えることもなく、駆け引きも大変上手です。言われたことは義務的にそつなくこなしますが、ときどき意地悪をしておどかします。
 最近子どもと遊んでいるすがたや、日なたでゴロ寝をしているミミーを見ると、温和になったように感じます。寄る年波のせいで腰も少しばかり曲がっていますが、食欲や動きなどはちっともおとろえず、群れへの目配りをしている元気なすがたが見られます」(記事「生き字引ミミーばあちゃん」2008年5月2日)

 長生きをしたミミーは、日本国内のメスのチンパンジーとしては最高齢に達していました。ミミーの死亡後、多摩動物公園のチンパンジーはオス6頭、メス13頭となります。

(2015年7月28日)


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