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ゲンジボタル幼虫の上陸
 └─2015/05/08

 多摩動物公園では今年もホタルの幼虫の上陸が始まりました。幼虫は、昨年の7月から約10か月間水中でくらし、4月中旬〜5月中旬の雨の降る夜に、土の中で蛹になるために光りながら上陸してきます。

 幼虫上陸を初めて目撃するのは、一日中雨が降り続く日の19時30分以降です。それ以降、日中は降らなくても雨となった夜、あるいはその雨の後で上陸が見られますが、ポツポツと降る弱い雨よりも、パチパチと叩きつけるほど強い雨の方がよく上陸してきます。じつは幼虫は、水面を叩く雨音の振動を感知して、それに誘発されて上陸するといわれています。

 園内のゲンジボタルが生息している流れは樹木に覆われているので、弱い雨だと遮られ、あまり上陸してこないと思われます。また、上陸しても地面があまり湿っていないと、水の中に戻ってしまいます。


上陸後、水の中に戻って行くゲンジボタル幼虫


 現在、4月20日と25日に上陸を確認しています。例年どおりだと5月中旬まであと数回上陸が確認できる予定です。この記事を書いている5月6日の時点では、雨が降らない日が続いているため、眉間にしわを寄せながら天気予報ばかり確認しています。無事に上陸が見られ、6月にホタルが飛び交い、皆さんにホタルの美しい光をお見せできればと思います。

 なお、2015年6月11日(木)〜23日(火)、昆虫生態園右ウイングの夜行性昆虫コーナーでホタル展「ホタルの光」を開催します。詳細は追ってお知らせします。

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 杉田務〕

(2015年05月08日)


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