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ケナガワラルーの出袋
 └─2015/02/21

 多摩動物公園のケナガワラルーの群れに15頭目の新しい仲間が加わりました。

 
ケナガワラルーの親子

 最近、4歳になるメス「ウミ」のお腹の袋から頻繁に子どもが顔を出していたのですが、2015年1月24日、袋から完全に外に出ている姿を確認しました。「出袋」(しゅったい)です。飼育係が見ていないあいだに外に出ていた可能性もありますが、多摩動物公園では有袋類について、飼育係が初めて出袋を確認した日を繁殖日(誕生日)として記録します。

 ウミの出産は今回で3回目です。ところが、群れの中にウミの子はいません。これまで子が育たず、出袋前に死亡してしまったためです。

 子が育たないのにはさまざまな原因が考えられます。子が生まれつき元気がなく、乳首に吸い付けなかったのかもしれません。あるいは母親の具合が悪く、ミルクが出なかったり、授乳する力がなかったということも考えられます。子が未成熟なまま袋の外に出てしまい、自力で袋に戻れない場合には死んでしまいます。母親は授乳をするために体力をたくさん消耗するので、親と子のどちらも元気でないと子は育ちません。また、ウミに子育ての準備ができていなかった可能性もあります。

 ウミの子が2回死亡してしまった原因は特定できませんでしたが、今回、出袋するまでに成長した姿を確認できたのは、飼育係にとってとてもうれしいことです。ウミ親子が元気に過ごすのを見守りたいと思います。


パルマワラビーの親子

 なお現在、出袋したパルマワラビーが小さな身体で運動場を走り回る姿や、アカカンガルー舎では大きくなった袋の目立つメスの姿を観察することもできます。2015年、オーストラリア園はにぎやかになりそうです。

〔多摩動物公園南園飼育展示係 齊藤美和〕

(2015年02月21日)


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