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北海道和種馬2頭のトレーニング
 └─2015/01/09

 多摩動物公園の「アジアの平原」の家畜馬舎に北海道和種馬(道産子)の「桃太郎」と「仁太郎」が来て丸1年が経ちました。

 冬本番となり、気温が下がったため動きやすくなったのか、2頭でじゃれることが増えました。運動場内を駆け回り、ときに立ち上がる姿は、遊んでいるとは思えないほど迫力があります。


じゃれ合う2頭

 2頭が生まれた北海道の帯広は寒さが厳しく、もっとも寒い時期にはマイナス20℃にもなります。それに比べて多摩動物公園は、どんなに寒くてもマイナス6℃前後。担当者は寒い寒いと思いながら作業をしていても、2頭にはまだまだ余裕があるのかもしれません。ただし、なかよく寄り添っている直後に駆け出すことも多く、何がきっかけで遊びのスイッチが入るのかまったくわかりません。

 さて、そんな元気な2頭ですが、来園者と接するためのトレーニングを積んでいるところです。家畜馬である北海道和種は、古くから人と生活をともにしてきた馬です。畑仕事をしたり、荷物を運んだりするため、人の指示に従って動くよう、トレーニングをおこないます。


トレーニング中

 動物園で畑仕事や荷役にあたることはありませんが、2頭が来園者の方と接するためには、ふだんから人と接することに慣れてもらう必要があります。2頭は北海道にいたころから人と接するためのトレーニングを受けていましたが、継続しなければ覚えたことも忘れてしまいます。そこで、来園後も担当者が欠かさずトレーニングを続けてきました。

 そのかいあって、イベントを試行できるまでなりました。実物の北海道和種馬とモウコノウマをご覧いただきながら、飼育担当者が家畜馬と野生馬の違いを説明し、2頭とのふれあいや引き馬を実施しています。まだ試行段階ですので、平日を中心に、天候がよく馬の体調がよい日に開催しています。今のところ不定期の開催ですが、安定して実施できるよう、トレーニングに力を入れているところです。

 まだ寒い時期が続きますが、トレーニングの成果を発揮している2頭にぜひ会いに来てください。

〔多摩動物公園調整係 清水聡美〕

(2015年01月09日)


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