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ターキン親子のその後
 └─2014/09/12

 2014年3月に多摩動物公園で生まれたゴールデンターキンの子「嶺花」(レイカ、メス)と「踊巓」(ヨウテン、オス)は、生後5か月になり2頭とも元気に過ごしています。

「ゴールデンターキンの子2頭の名前決定!」(2014年05月22日)

 多摩動物公園では1996年からこれまでに7頭のターキンが成育していますが、同じ年に2頭の子どもが無事に育っているのは初めてのことです。

 4月から6月までは、先に生まれた「ホイ」「レイカ」親子を公開していました。レイカは岩壁登りや堀の急斜面を昇り降りして活発に遊ぶ姿を見せてくれました。 

 「ヨウテン」は、予備放飼場で母親「オーキ」とすごしていました。こちらは平地なので、ヨウテンは母親のオーキの背中に乗ったり、頭突きをしたりして遊んでいました。

 しかし、ゴールデンターキンは野生では急峻な高山で生活しているので、成長の過程で斜面の昇り降りの練習をさせたいこと、また来園者の方からもヨウテンを早く見たいという要望をいただいたので、ヨウテンを堀のある展示場に出すことにしました。ヨウテンが3か月齢となり安定してきた6月下旬にホイ親子とオーキ親子の部屋を交換しました。

 起伏のない平地の予備放飼場に出たレイカは退屈したようです。放飼場を囲む高さ3メートルの石垣塀を助走をつけてほぼ垂直に駆け上がると、2メートルの高さまで達して反転し走り降りてきます。おてんば娘レイカのこと、この行動を繰り返しているうちに、塀を乗り越えてしまうのではないかと心配になりました。

 初めての展示場に出たヨウテンのほうは、母親から離れずについて歩いていましたが、次第に慣れてくると、ジャンプしたり鼻を鳴らしてダッシュを繰り返したりしているうちに、やがて堀をこわごわ降りはじめそのまま横滑りに下まで落ちてしまいました。それでも初めての斜面が楽しいようで何度か挑戦し、斜面の途中で落ちないよう横に歩く練習をしていました。

 7月に入ってレイカもヨウテンも体つきがしっかりしてきて、濃い茶色だった体色が足、腰、背中を残して明るくなり、母親に近い色に変わってきました。それとともに動きもだいぶ落ち着いておとなしくなってきました。

 その後、角が生えてきています。頭の毛が盛り上がっているだけで、触らないとわからない状態でしたが、8月になるとオスのヨウテンの黒い角が見えるようになりました。まだ少し柔らかくぐらぐらしています。レイカの角は、まだ毛の中に埋もれています。

写真上:「レイカ」と「ホイ」の親子
写真中:斜面を横に歩く「ヨウテン」
写真下:ヨウテンの角

〔多摩動物公園南園飼育展示係 小島善則〕

(2014年09月12日)



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