2014年6月19日に誕生したオランウータンの子ども「アピ」（母親はチャッピー）の父親を「調査中」とお伝えしていましたが、検査の結果、父親は ボルネオ ということが判明しました。

　検査は京都大学大学院理学研究科人類進化論研究室にお願いしました。DNA上の「マイクロサテライト」と呼ばれる10の領域に注目し、父親候補のボルネオ（29歳）とキュー（推定45歳）のどちらが父親なのかを調べました。

　遺伝子は、母親から受け継いだ部分と父親から受け継いだ部分が「対」になっています。そこでまず、子どもと母親の遺伝子を調べ、子どもが父親から受け継いだ遺伝子がどれなのか、絞り込みました。その遺伝子と、ボルネオとキューの遺伝子を比較し、父子関係を調べました。この方法は、人間の親子鑑定でもよく用いられる手法です。

　結果が判明したのは7月16日です。分析の結果、調べた10の領域すべてにおいて、「子のアピが父親から受け継いだ遺伝子」と「ボルネオの遺伝子」が一致しました。一方、キューの遺伝子は5つの領域でしか一致しませんでした。したがって、アピの父親はボルネオという結果となりました。

◎過去の関連記事
・オランウータンの名前は「アピ」に決定、命名式を開催します（2014年7月6日ニュース）
・オランウータンの赤ちゃん誕生！（2014年6月23日ニュース）

写真：アピ

（2014年07月17日）