さわやかな季節となり、多摩動物公園ライオン園のライオンたちも新緑の中で気持ちよさそうに過ごしています。顔に風を受け、たてがみをなびかせながらのんびりとしているようすは、見ているこちらまで気持ちよくなってきます。
ライオン園には、おやつ代わりの牛骨を取り付ける台があります。そうした人工物でライオンにも人にも喜んでもらえる工夫を施すほか、水の流れ込むくぼ地や高低差のある丘など、自然や地形を生かして変化をもたせたエリアも多くあります。これは、ライオンたちが自分でよい場所を選べるようにバリエーションをもたせた工夫です。
季節を問わず、朝一番の人気の場所は牛骨が齧れる台上です。取り付けたばかりの牛骨は早いうちに齧ったほうがおいしいので、たいてい力の強いオスが一番乗りしています。
それ以外のライオンは、季節や天候によりおのおので居場所を決めています。 冬の間は陽の当たる暖かい場所が人気で、北側(フラミンゴ側)の壁沿いに集まってよく休んでいました。陽の回るのにあわせてライオンたちも居場所を少しずつずらし、日時計のようでした。
最近はだんだん暖かくなり、冬とは反対に南側(チーター側)の土手や、樹の下が人気になってきました。また、西側(キリン側)の土手は冬はあまり利用されていないエリアですが、風通しがよい気持ちよい場所のようで、このところ若いライオンが連れ立って遊ぶ姿がよく見られます。
さらに暑くなってくると、浅い水場に入って遊ぶライオンも出てくることでしょう。
みなさんもライオンと一緒に季節を感じながら過ごす一日をどうぞ楽しんでください。
写真上:思い思いにくつろぐライオンたち
写真下:変化に富んだ地形のライオン園内部
〔多摩動物公園北園飼育展示係 松井由希子〕
(2014年05月30日)
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