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マタタビや氷にサーバルの反応は?
 └─2012/09/07

 多摩動物公園では、現在5頭(オス2頭、メス3頭)のサーバルを飼育しています。

 その中のオス「コウ」をご紹介します。2003年2月当園で生まれたコウは、現在9歳で、ほかの個体に比べて非常に好奇心が旺盛です。ほかの個体が物事に対して比較的慎重に行動するのに比べ、コウは初めて目にするものでも、ほとんど物怖じせずに向かっていきます。
 夜行性であるサーバルは、日中茂みや日陰で多くの時間を過ごすため、見つけづらいことがしばしばあります。そこで日中でも姿が見られるように、このコウの好奇心を生かし、いろいろなものを置いてみました。

 その中で面白かったものは、まずはキャットニップです。西洋マタタビといわれるもので、イエネコでは個体によってマタタビ以上の反応が得られるものです。手始めに室内で試してみると、ほかのサーバルたちは残念ながら見向きもしませんでした。しかしコウに与えてみると、顎をこすりつけ始め、反応が得られました。そこで、外で試すにあたっては量が心もとないため、麻袋に乾草とキャットニップを混ぜたものを入れ、3種の素材を組み合わせることで匂いを強化していました。

 コウを運動場に出し、前日の匂いが気にならなくなったころを見計らって麻袋を投入すると、見事に体ごと袋に乗っかり転がり始めました。およそ30分で飽きてしまったようですが、ふだん茂みに潜んでいる状態に比べれば、展示方法としてはひとつ進歩したといえるのではないかと思いました。

 続いて夏場の定番「氷」です。さまざまな動物でも反応は見られ、ある程度の効果は期待していました。バケツで作った氷を運動場に置くと、キャットニップ同様、ほかのサーバルに反応は見られず、最後の砦としてコウに託すと、真っ先に近づき軽く舐めました。しかし、喜んだのも束の間、次の瞬間には踵を返して、定位置の日陰に入ってしまいました。がっかりしましたが、試さなければ分からないことなので、そういった点では面白い結果となりました。しばらくしてようすを見に行くと、氷の横に座っていたので、涼をとっていたのかもしれません。

 今後も体調などを見ながら遊具等を設置しますので、コウばかりでなく、ほかのサーバルたちが遊ぶ姿も見られるかもしれません。ぜひ、じっくり観察してください。

写真上:ようすを見にきた「コウ」
写真下:麻袋を堪能

〔多摩動物公園北園飼育展示係 佐々木悠太〕

(2012年09月07日)



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