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コンゴウインコたちはどこ?
 └─2011/04/15

 多摩動物公園の正門を入ってメイン通路を進んだ右側に、色鮮やかなインコたちがいたのを記憶している方も多いはずです。しかし、現在その場所では園内整備のため工事をおこなっています。さて、いったいあのにぎやかなインコたちはどこに行ってしまったのでしょう?

 インコたちがあの場所から姿を消したのは2011年1月末。インコ舎整備の計画が決まった後、園内の空きスペースを物色し、とてもよい物件に巡り合うことができました。それが現在の別宅「オランウータン舎サンルーム」です。

 インコたちにとって「よい物件」となる条件はいくつかあります。インコはかわいらしく見えるその姿とは裏腹に、じつはかなりの力持ちなのです。ですから頑丈な囲いが必要。そして力持ちなだけではなく、とても器用です。あの体のどこが器用なの? というと、答えはくちばしです。くちばしを使ったイタズラの被害も受けず、壊されることもなく、そして寒さをしのげる場所、そんな条件にぴったり合ったのがこのサンルームだったのです。

 この施設は本来はもちろんオランウータンのためのものです。多摩動物公園には名物のおばあちゃんオランウータンたちがいます。老齢オランウータンが末永く健康にくらせるようにと用意した物件でしたが、まだまだ元気な彼女たちにはこれまで使う機会がなく、空き部屋になっていました。

 旧インコ舎の取り壊し前にこのスペースに巣箱や止まり木を設置し、インコ仕様に改築しました。
 1月25日、いつものように放飼場に出ていたインコたちが部屋へ帰ろうとした際、網でくるんでそのまま車の荷台へ乗せ、数分のドライブの後、新居へ放しました。インコたちはこちらの目論見通りの場所へ落ち着き、現在にいたっています。

 このサンルームは展示のためのスペースではないのですが、園内の一番奥「みはらし広場」の下の道沿いにあります。みはらし広場から見おろすと、少し距離はありますが、色鮮やかなインコたちの姿を見ることができます。ゴールデンウィークが終わる頃には新居が完成し、またみなさんと近くでお会いできる予定です。
 ちなみに当園のコンゴウインコは、青い色(瑠璃色)のルリコンゴウインコと、赤い色(紅色)をしたベニコンゴウインコの2種類です。

写真上:収容されたインコ
写真下:みはらし広場下の園路から見たサンルーム

〔多摩動物公園南園飼育展示係 齋藤麻里子〕

(2011年04月15日)



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