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チーター、キキョウ親子のその後
 └─2010/12/24

 2009年に母親「キキョウ」から生まれたチーターの子どもたちは、2010年9月で1歳になりました。今回は子どもたちのこれまでのようすについてお話しします(誕生関連ニュースはこちら)。

 現在キキョウ親子は大放飼場と呼ばれる広い運動場にいます。子どもたちの体も大きくなり、遠目には親子の区別が難しくなってきました。しかし中身はまだ幼いようで、落ち着いている母親とは対照的に場内を元気に遊びまわっています。

 じつはこの大放飼場に親子を出すには苦戦しました。9月29日に今まで過ごしてきたガラス放飼場との行き来を自由にしてみると、初めは物珍しげにしていましたが、やはり落ち着かないようで、大放飼場ではあまり過ごしていませんでした。

 翌日ふたたび出しましたが、全頭を部屋に収容したときは、あたりが真っ暗になってしまいました。どうやら子どもたちが、部屋と大放飼場の間にあるセカンドキャッチを警戒して帰ってこられなかったようです。セカンドキャッチとは脱出防止のための柵や一時的に動物を収容しておく場所などをいいますが、そこに付けられた電動扉を子どもたちが怖がったようです。

 セカンドキャッチや電動扉に慣れてもらうために、それから約半月間、子どもたちのトレーニングをおこないました。部屋とセカンドキャッチを自由に行き来させ、セカンドキャッチの中で餌を与える、といった方法です。

 10月13日、子どもたちもかなり慣れてきたように見えたので、再度大放飼場へ出してみました。前回もそうだったのですが、最後までセカンドキャッチに入ることができなかったのはメスの子「ソニア」で、1頭取り残されて不安だったのか、収容に1時間もかかってしまいました。最終的にはキキョウをもう一度外に出して迎えにいかせたのですが、そろそろ子どもに関心が無くなりはじめた時期のためか、簡単に連れ帰ってはくれませんでした。

 その後、部屋を出る際、セカンドキャッチ内、放飼場内へとこまめに餌を与えると出入りもスムーズになり、10月21日にようやく餌がなくても部屋と放飼場の行き来ができるようになりなした。

 現在子どもは1歳4か月で、母親から離れて独り立ちをしていく準備をしています。大人へと近づいていく子どもたちを応援してください。

写真上:セカンドキャッチに慣れる訓練中の子どもたち
写真中:大放飼場のキキョウ親子
写真下:メスの子「ソニア」

〔多摩動物公園北園飼育展示係 野本寛二〕

(2010年12月24日)



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