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シロオリックス、親子でダブル出産
 └─2010/07/08

 2010年6月5日と22日、多摩動物公園でシロオリックスの赤ちゃんが立て続けに2頭誕生しました。最初に生まれたのはオス。「モンド」と命名しました。母親の「モンブラン」にとって3度目のお産です。

 つぎに生まれたのはメスで、「サラ」と名づけました。母親「サフラン」にとっては初産です。サフランはモンブランの子なので、モンドはサフランの弟、サラはモンブランの孫にあたります。

 多摩動物公園のシロオリックスは、このところオスばかりが生まれていました。サフランが生まれて以来、サラはじつに約3年半ぶりに誕生したメスなのです。
出産当日の朝、動物舎を確認するとモンドもサラも生まれていて、母親から授乳を受けたり、自分で立ち上がったり、元気そうなので安心しました。

 誕生翌日には、体重測定や性別判定をおこないました。また、個体識別のためのカラータグを耳につける作業をおこないました。係員が手を出すと、モンドは飛びはねて逃げようとするくらい活発でしたが、サラは腰が抜けたかのようになすがまま。対照的な2頭の反応でした。

 2頭とも生後2日目には小放飼場にデビューしましたが、2~3日のあいだ、じっと座って休んでいる姿がよく見られました。そんなとき、モンブランは自分の子モンドを鼻でつつき、立つよう促すことがしばしばありましたが、サフランはじっとサラを見守っているようでした。

 子どもたちは母親から徐々に離れ、行動範囲を広げています。今では走り回る姿もよく見られるようになりました。

 子どもの体は淡い茶色をしており、自慢のサーベル状の角はまだありません。角は最初、まるで黒豆が頭についているように見えますが、今は4~5センチメートルくらいの長さに伸び、鬼の角のような感じです。

 親子を出しているオリックス舎の小放飼場はサバンナの中央にありますが、ちょこちょこと動く子どもたちの姿が遠目でもよくわかると思います。2組の親子は別々の小放飼場に入っています。群れに入れるまでには、まだ時間がかかるでしょう。

 個性の異なる2頭の子どもがどう育っていくか、とても楽しみです。

写真上:誕生翌日の体重測定(サラ)
写真中:初めて放飼場に出たモンドに注目するキリンたち
写真下:モンド、生後15日目

〔多摩動物公園北園飼育展示係 清水勲〕

(2010年07月08日)



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