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「モリーさんおめでとう!」、オランウータン最高齢
 └─2010/06/04

 多摩動物公園では2010年5月15日に、ボルネオオランウータン「モリー」の長寿のお祝い会をおこないました。モリーは野生で生まれ、2010年で推定年齢58歳とされています。ギネス記録によると、飼育下のメスのオランウータンの歴代最高齢はアメリカ・フィラデルフィア動物園のグァリナで、58歳(死亡)です。したがってモリーは、今年メスの歴代最高齢に並ぶという大記録を成しとげたのです。

 ちなみにオスのオランウータンの歴代最高齢はアメリカ・フィラデルフィア動物園のガオスの59歳(死亡)ですので、来年モリーは、オランウータンの歴代最高齢に並び、2012年には記録を更新してしまうのです。

 お祝い会は天気にも恵まれ、たくさんのお客さんに来ていただきました。担当飼育係によるモリーの紹介の後、職員特製の手作りケーキでお祝いしました。

 ケーキは食パンにキーウィやサクランボ、パプリカなどを挟み、豆乳入り植物性生クリームをホイップし、トッピングには抹茶パウダーを使いました。ケーキを運動場に用意し、さあモリーの登場です!

 モリーはゆっくり、休みながらケーキが置いてある方向に向かっていきます。高いところに置くと登れないのではないかと考え、ケーキはヤグラの下の地面に置きました。
 しかし、モリーは大勢の観客に興味を持ったのか、ケーキに気づかずそのままヤグラに登ったではありませんか。職員一同拍子抜けでした。

 どんどん登り始めたモリーは一番上まで登り、人間観察を始めてしまいました。「これでは気付かず終わってしまう」。若干焦りを感じた職員は、急遽ケーキを少し上の位置にずらしに行きました。そうしてやっとケーキに気付いたモリーさん、降りて食べに来てくれました。途中ケーキを落としてしまうなど、ハプニングはあったものの、美味しそうに食べてくれました。

 その後満腹になり、また晴天で気持ち良かったのか、昼寝を楽しみながら運動場に居座り、呼んでも部屋になかなか戻ってきません。結局一日運動場で過ごし、部屋に戻ってきたモリーさんは疲れたというよりは、むしろ満足そうな顔をしていました。

 モリーには、部屋で色紙とクレヨンを渡していますが、この日からカラフルな絵を描くようになりました。お祝い会がモリーにとって刺激的だったのかもしれません。この絵は近々室内展示場前に展示しておきたいと思います。また、モリーの幼少期から今までの写真も現在ウォッチングセンターにて展示しています。6月からは展示場所をオランウータン舎に移動し、しばらく展示していますので、ぜひ見に来てください。

 とても長寿なモリー、硬い餌もバリバリ食べて、食欲旺盛、元気そのものです。今後も変わらず元気に過ごしてもらって、また皆さんでお祝いできたらいいなあと思っています。

写真上:ケーキを食べるモリー
写真下:手作りケーキ

〔多摩動物公園南園飼育展示係 徳田雪絵〕

(2010年06月04日)



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