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光る生き物、見てみませんか?
 └─ 2023/07/14
 葛西臨海水族園の「発光生物」のコーナーは新型コロナウイルス感染防止のため、長らく休止していましたが、2023年6月29日に再開しました。このコーナーでは、体の一部を光らせたり、体外に発光液を出すことができる、さまざまな発光生物を観察することができます。今回は、再開した「発光生物」コーナーで展示している2種類の生き物をご紹介します。


2023年6月29日に再開した「発光生物」コーナー

 1種目はヒカリキンメダイです。ヒカリキンメダイはおもに太平洋西部にすむ体長10cm程度の小型の魚類で、眼の下に楕円状の発光器をもっています。この器官には発光細菌が共生しており、青白い光を放ちます。


ヒカリキンメダイ。全身が黒褐色をしている

 ヒカリキンメダイを水槽で見ていると、常に光っているのではなく、点滅しているようすが観察できます。これは発光器の表裏を反転させることで光を隠し、点滅させているのです。ヒカリキンメダイはこの点滅を、なかま同士のコミュニケーションや求愛に使っていると考えられています。


ヒカリキンメダイの発光のようす。眼の下の発光器から青白い光を発する

 2種目はウミホタルです。ホタルと名前につきますが、昆虫のホタルと異なり、甲殻類のなかまです。全長は2〜3mmと小さく、肉眼には小さな粒にしか見えません。昼間は砂中に潜み、夜になるとえさとなる魚の死体などを求めて活動します。


ウミホタル拡大写真。全身が二枚貝のような殻でおおわれている

 ウミホタルは刺激を受けると、体内で分泌した発光物質を放出し、それが海水と反応すると青く光ります。ウミホタルの発光は毎日16時15分よりおこなっているガイドでご覧になれます。

 「発光生物」コーナーでは、ほかにも動画や標本で発光生物の紹介をしています。今年の夏は葛西臨海水族園でさまざまな生物が光るようすを観察してみませんか。

〔葛西臨海水族園教育普及係 小川悠介〕

(2023年07月11日)



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