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新顔はどんな顔?──ワイドアイドフラウンダーを観察してみよう!
 └─ 2022/05/06
 2021年8月から「世界の海」エリア「地中海」水槽でワイドアイドフラウンダー(Bothus podas)の展示を始めました。

 ワイドアイドフラウンダーは、大西洋東部や地中海、アドリア海に生息する、全長45㎝ほどに成長するダルマガレイ科の魚です。ひとつ隣の「北海」水槽では、カレイ科のプレイスを展示しています。どちらも平べったい体をして砂の上でじっとしていることが多く、一見似ていますが、よく観察するとそれぞれ異なる特徴があります。今回はこの2種を比べながら観察してみましょう。

ワイドアイドフラウンダー
プレイス

体の形、身の隠し方
 プレイスは楕円形の形をしているのに対し、ワイドアイドフラウンダーは円形に近い形をしています。また、身の隠し方にも違いがあります。プレイスは砂のなかに潜り、眼だけを出していることが多いですが、ワイドアイドフラウンダーはあまり砂に潜らず、体の色や模様を変化させて身を潜めます。

眼の位置
 背中側を上にして見たとき、プレイスの眼は体の右側にあり、左右の眼はピタッと隣り合わせになっています。対してワイドアイドフラウンダーは体の左側にあり、「ワイドアイド=眼の間隔が広い」という名のとおり左右の眼のあいだは大きく間隔が空きます。この間隔はメスよりもオスの方が広いことが知られています。現在、水族園では3尾展示しているので、目元を見比べてみて雌雄を予想してみてください。


水槽を泳ぐワイドアイドフラウンダー

 今回は体の形や身の隠し方に注目しましたが、水中での泳ぎ方の違いなど新しい発見がまだまだ見つかるかもしれません。ぜひ隣り合う2つの水槽で見比べながら新顔を観察してみてください。

 ちなみに、週に3回お昼過ぎごろにおこなっているえさの時間が近づいてくると水槽内をしきりに泳ぎだすことや、同居生物の分まで食べ尽くしてしまわないか心配になるほど食いつきがよいことは、どちらも同じです。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 石神まゆか〕

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(2022年05月06日)



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