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学校とオンラインでつながる
 └─ 2022/01/28
 葛西臨海水族園ではコロナ禍での団体受け入れの中止にともない、通常おこなっていた学校団体向けプログラムを2020年3月から休止しています。その代わりにはじめたのがオンラインプログラムです。各学年向けに用意している6つのテーマから選んでもらい、オンライン用に内容をつくりかえておこなっています。

 たとえば、小学1、2年生向け「さがせ! いろんな魚」では、形態的に特徴のあるマグロやカレイなどを中心に、それぞれの魚のくらしにあった体のつくりを写真や動画を使って紹介しています。


オンラインプログラムのようす
(画面の魚はカレイのなかまのプレイス)

 対面でおこなっていたときには、子どもの反応を見ながらこちらからさまざまな問いかけや補足説明をすることができました。しかし、オンラインでやってみると、画面越しでは子どもの細かい反応をうかがい知ることが難しく、問いかけや子どもからの質問も多少のタイムラグが生じるため、はじめはとまどい、進行が難しく感じることもありました。

 一方で、生き物の映像はオンラインでも子どもたちの反応はよく、マグロが泳ぐ姿やカレイが巧みに砂の中に隠れるようすに、多くの子どもが声をあげて驚いており、生き物の生きている姿を見ることに勝ることはないのだと感じました。また、画面越しではやりとりの難しさから一方通行のプログラムになりがちですが、問いかけを選択式にするなどして、自ら考えてもらう機会もつくるように工夫しました。さらに、特別支援学校向けに実施した際にはサメの皮や歯の標本などを事前に郵送して、手元でそれらにさわりながら、より体験的に学べるような工夫をおこないました。

 プログラム後に感想を聞くと、「マグロの体の色がきれいだった」「カレイが砂の中にあんなに一瞬で隠れるなんて驚いた」といった意見を聞くことができました。難しい面もありますが、オンラインでも自然や生き物への興味関心を引き出すことができるのだと感じています。

 自然や生き物の魅力を、簡易につながって、学校の多くの子どもたちに伝えられるというのは、オンラインならではのメリットだと感じています。移動の手間や時間をかけずに、授業の1コマで実施できるからです。

 もちろん実際に来園して生きている生き物を見てもらい、プログラムを実施できることが一番ですが、新型コロナウイルスが収束したあとも、学校の要望に沿って、オンラインプログラムも継続していきたいと思います。

〔葛西臨海水族園教育普及係 西村大樹〕

(2022年01月28日)



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