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フェアリーペンギンの受精卵を長崎ペンギン水族館に移動しました
 └─ 2021/06/27
 国内で飼育されているフェアリーペンギンを今後も健康に飼育していくためには、飼育個体群の遺伝的多様性に配慮した繁殖を進めることが重要です。そのためには、個体の移動を積極的におこなうなど、飼育園館で連携した取組みが求められます。

 2021年4月に当園で産卵された3卵をアドベンチャーワールドに移動しましたが(お知らせ)、続いて、当園で2021年5月に産卵された3卵を長崎ペンギン水族館に移動しました。

 今回移動した卵は、2021年6月9日、10日、13日にそれぞれ孵化しました。

輸送した卵
(左下は記録機器を装着した擬卵)
長崎ペンギン水族館に搬入した受精卵3卵
(写真提供:長崎ペンギン水族館)

2021年6月9日に孵化した1羽目のひな
孵化時の体重:40.0g
(写真提供:長崎ペンギン水族館)
元気に成長している3羽のひな
左から6月13日生まれ、9日生まれ、10日生まれ
(写真提供:長崎ペンギン水族館)

受精卵移動をおこなった経緯
 個体移動は検疫や輸送、新しい環境への馴化など多くの負担が移動個体にかかることになります。そのため、移動個体が繁殖するまでには少なくとも約3年の期間が必要と考えられます。

 一方、卵で移動する場合は検疫や移動先の飼育環境への馴化が不要で、移動の負担が軽減されます。したがって、受精卵移動の技術が確立できれば、ペンギンにとってもよりよい移動方法になると考えています。

今後の取組み
 今年度得られたデータを詳細に解析し、よりよい受精卵移動の方法を検討していきます。また、当園の人工育雛技術などの繁殖技術を飼育園館と共有し、フェアリーペンギンのよりよい繁殖につなげていきます。これらをふまえ、最終的にはフェアリーペンギンの主要な生息地であるオーストラリアから個体への負担が少ない受精卵での移動により、国内の飼育個体群の遺伝的多様性を改善していくことをめざしたいと考えています。

国内の飼育状況
 5園館 55羽(オス32、メス22)
 資料:2020年度コガタペンギン国内血統登録台帳【(公社)日本動物園水族館協会】より

(2021年06月27日)



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