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オウサマペンギンのひな「クルル」の成長
 └─2021/04/17
 葛西臨海水族園で2020年8月22日、オウサマペンギンのオス「ウメ」とメスの「ウララ」の間にひなが孵化しました(孵化のニュースはこちら)。

 ひなの名前は「クルル」です。ポーランド語で「王様」という意味をもつとともに、母親のウララと語感が似ていることから命名しました。

クルルの成長

 孵化したばかりのクルルの体重は225.4g、大きさは飼育係の両手におさまるくらいでした。そこからすくすくと成長し、約3か月後には10.6kgに成長し、孵化時の約47倍の重さになりました。

 今では群れのなかで一番大きく、りっぱな風貌をしていますが、まだ自分でえさを食べられないため、両親にえさをねだって鳴いている、ひならしい姿をよく見かけます。


クルルと父親ウメ。左から10日齢、14日齢、46日齢

おだやかなクルル

 クルルは他の個体に比べて性質が穏やかなように感じます。体重測定や悪天候のとき、屋内に移動させようとすると、クルル以外の個体は飼育係が近づくだけで大きな鳴き声を出し、くちばしと翼を振り回して威嚇してきます。一方、クルルは少し鳴くくらいでおとなしくしているので非常に助かっています。ただ、最近すこし飼育係に対して抵抗をするようになり、新たな一面が垣間見えてきました。同じオウサマペンギンでもそれぞれ個性があるので、クルルがどう成長していくのか楽しみです。

おとなたちとクルル
ウララからえさをもらうクルル

警戒しつつも怒りはしないクルル
フンボルトペンギンとにらみ合うクルル

これからのクルル

 葛西臨海水族園は2020年12月26日から新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため臨時休園が続いています。クルルの成長を実際に見ていただく機会が少なくなってしまったのがとても残念です。

 ひなの綿羽は、例年5月下旬から6月上旬ごろに抜け始め、おとなの羽に生え換わります。しかし、幼鳥はくちばしの下のオレンジ色の部分がしばらくは黒いままなので、おとなの羽になってもどれがクルルか見わけることができます。


最近のウメとクルル

 再開園した際にはぜひ大きく育ったクルルに会いに来てください。羽は生え換わっているのか。おとな比べて大きさはどのくらいか。ぜひこの記事を参考に観察していただければ幸いです。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 内山幸〕

(2021年04月17日)



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