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世界最大のゴンベ、ジャイアントホークフィッシュの展示
 └─2020/02/28


ジャイアントホークフィッシュ

 葛西臨海水族園「世界の海」エリア「バハ・カリフォルニア」水槽では、ゴンベ科のジャイアントホークフィッシュを展示しています。カリフォルニア半島からガラパゴス諸島にかけての東部太平洋沿岸に分布している魚です。このなかまの多くは浅い海のサンゴ礁の周りに生息しており、日本にもベニゴンベやメガネゴンベなど14種生息していますが、全長10cm程の小型の種がほとんどです。


「グレートバリアリーフ」水槽のメガネゴンベ(全長約10センチ)

 ゴンベのなかまは英語でホークフィッシュ(タカの魚)と呼ばれますが、これは周囲を監視しているような姿がタカの習性に似ていることに由来しているようです。ジャイアントホークフィッシュはゴンベ科では世界最大の種で、全長60センチ程になります。日本のゴンベのなかまとは圧倒的にスケールが違いますが、岩の上や間に陣取り、ギョロっと目を動かしてまわりを観察しているさまは日本で普通にみられるゴンベのなかまと同様です。

 岩の上でじっとしていることが多いのですが、給餌の時はかなり俊敏です。飼育係と目が合うかのような表情でよく周りを見回しており、こちらが水槽のふちに立つだけでそわそわと動き出します。えさをもらえることがすぐにわかるのでしょう。

 えさを入れると一瞬のうちに水面まであがってきて食いつきます。水槽の上からでも前からでもこちらを観察するように見つめてくる姿は愛嬌があり、非常に愛着がわく魚なのですが、えさに対してかなり貪欲で気が強い魚でもあります。同居できる生き物があまりおらず頭を悩まされていますが、どの生き物ならケンカをせず飼育していけるのか、試行錯誤中です。

 他にも葛西臨海水族園には世界最大を競う生き物がいます。

ピコロコ
アッロペトロリステス プンクタトゥス
ランプサッカー
タカアシガニ

 進化の歴史の中で、どうしてこれほど大きくなったのか、それぞれの近いなかまとの違いなどを考えながら観察をするとさらに面白い発見があると思います。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 市川啓介〕

(2020年02月28日)


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