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知られざる休園日の仕事、潜水作業
 └─2018/12/21

 葛西臨海水族園は、通常水曜日が休園日です。来園者のいない水曜日の水族園では、施設工事や設備の点検など、休園日にしかできないいろいろな作業をしています。

 飼育係も全員が出勤し、大忙しです。水槽を空にしておこなう展示の変更や水槽の換水などは休園日ならではの作業ですが、小さな水槽に潜水する作業もそのひとつです。

 大きな水槽ではダイバーが潜水しても主役の魚が見えなくなることはないので、開園日でも潜ることができますが、小さな水槽だとそうはいきません。休園日の潜水作業のようすを見てみましょう。


 ダイバーは保温と安全のためにウェットスーツを着て、水中でも空気が吸えるスクーバ機材をつけて水槽に入ります。そして、ダイバーには必ず付き添い係がついています。付き添い係のもっとも重要な任務は、ダイバーが安全に作業できているか、常に気を配ることです。ほかにも水槽の上からダイバーに道具を渡したり、水槽の前から全体を見て仕上がりをチェックしたりしています。

 水槽内ではおもにガラスや壁の掃除、水槽内のレイアウト調整などをおこないます。たとえば「東京の海」エリアの水槽の掃除は毎日実施していますが、ふだん水槽の上から長い棒状の道具で作業するため力をかけづらく、こびりついた汚れは時間をかけないと取り除くことができません。

 しかし、水槽に潜ると直接力を入れて掃除できるので、効率よくきれいにできます。また、岩やサンゴのレイアウトを変え、来園者の方に魚がより見えやすいよう工夫したり、たくさん生えた海藻を間引いたりして展示を整えています。

 ひとつの水槽には30分から1時間程度の時間をかけますが、連続していくつもの水槽に潜っていると体が冷えてくることもあります。飼育係はこのような潜水作業に慣れるために、年に何度かプールや海での訓練もしています。

 毎年12月29日から1月1日まで、水族園にとっては長い連続休園期間です。新年1月2日の開園時、前年とは少し水槽のようすが変わっているかもしれません。マニアックな楽しみ方ですが、どんな作業をしていたのか想像しながら水槽を眺めてみてください。2019年もみなさんのご来園をお待ちしています。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 佐藤真心〕

(2018年12月21日)


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