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サンバーストソフトコーラル──始まりはわずかなポリプ
 └─2018/03/02

 過去にも何度か、葛西臨海水族園「世界の海」エリア「南アフリカ沿岸」水槽のロックサッカーを取り上げましたが(下記リンク)、今回は同じ水槽で展示しているサンバーストソフトコーラルをご紹介します。

 サンバーストソフトコーラルはウミトサカ科の動物で、サンゴやイソギンチャクと同じ刺胞動物のなかまです。目に鮮やかなオレンジ色が特徴的で、太い円柱状の体をしています。体の先端には、柄の長い「ポリプ」と呼ばれる構造体がたくさん集まっており、リラックスしているときは、ポリプが大きく開いて全体がボール状にふくらみます。ひとつひとつのポリプが、水中に漂うプランクトンを捕まえて食べます。

サンバーストコーラル
ポリプ

 サンバーストソフトコーラルのついている岩の斜面には、小さなオレンジ色の付着物が点々とついています。付着物は直径5ミリ前後で、近くでよく見るとポリプもいくつか確認できます。この付着物は岩を覆っているサンバーストソフトコーラルの本体(足)の一部がちぎれて増殖したものです。一番大きい塊にポリプは4個ついています。


小さなポリプ

 じつは、この増殖を見つけたのは、今から2年以上前の2015年11月でした。当時すでにポリプも2個確認できました。それからずっと、柄の部分が太く伸び、先端のポリプの数が増えていくのを楽しみに観察を続けていましたが、思いのほか成長が遅いようです。自然海ではもっと早く成長するのでしょうか。長さ10センチほどの展示サイズになるまでには、思った以上に長い年月が必要なのかもしれません。

 この調子では、ボールのように広がった無数のポリプが水流にゆらゆらと揺れるほど成長するのはまだ先のようです。そのころ私は何歳?などと考えると暗澹たる気持ちになるので、成長した姿を見るのを楽しみに長い目で見守っていこうと思います。

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〔葛西臨海水族園飼育展示係 高濱由美子〕

(2018年03月02日)


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