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合言葉は「AJKP」! アカハライモリへの誘い
 └─2017/12/08

 葛西臨海水族園「水辺の自然」エリア「池沼」内にある水辺の生き物水槽では、アカハライモリの成体を展示しています。アカハライモリは本州から四国、九州まで広く分布する、日本固有の両生類の一種です。

 水槽は縦長をしており、正面と側面の二面から生き物のようすが見られる特徴的なかたちです。お友だちどうし、親子やカップル、もちろんお一人でもじっくりと観察ができる水槽です。

 そこで、飼育係がおすすめする「アカハライモリ(A)のじっくり(J)観察(K)ポイント(P)」をお教えいたしましょう!


 AJKP①──アカハライモリという名のとおり、腹部の鮮やかな赤色模様。オレンジがかったものから深紅に近いものまで個体ごとに微妙な差があります。さらに斑紋も1尾ずつ違い、水族園ではその違いを利用して個体識別しています。ぜひみなさんもお腹を観察してみてください。


 AJKP②──長い尾に注目です。この尾をたくみに振りながら縦横無尽に泳ぎます。また、水槽内の水草に尾をからませたり、流木の隙間に身を隠しても長い尾だけ出ていたりするなど、愛嬌ある姿を見せてくれることもあります。
 ちなみに、この尾の形でオスとメスを見分けることができます。オスの尾は上下に扁平したかたちをしていて、先端が急にとがるのに対して、メスは全体的に細くなっています。

 繁殖シーズンになると、オスの尾を中心に体色に変化が訪れ、婚姻色と呼ばれる紫がかった色になります。メスに対して尾をくねくねと動かすことがありますが、これは求愛行動。特徴的な繁殖行動をする姿を、ぜひともみなさんにご覧いただきたい!
 ……のですが、残念ながらここ数年、この展示槽では繁殖行動が見られていません。そこでこれまでとは違った繁殖シーズンを迎えられるよう、今年はえさの内容や頻度を見直すなど、飼育担当者一同改善に励んできました。

 春が来てあたたかくなるとアカハライモリの繁殖シーズンが始まります。まだ少し先の話ですが、繁殖シーズン限定のAJKPがご覧いただけるよう引き続き精進します。

〔葛西臨海水族園飼育展示課 川崎繭〕

(2017年12月08日)


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