ニュース
続・新たな視点で見てみると(62)水族園の周辺にくらす発光生物[3]──ホタルミミズ
 └─2017/03/17

 葛西臨海水族園では2017年3月2日から、特設展「発光生物」を開催しています(詳細はこちら)。この特設展を準備するにあたり、発光生物についていろいろと調べました。すると、意外なほどさまざまな生物が発光することを知り、中でも興味を引かれたのが、土の中にくらすミミズのなかまにも発光する種類があり、しかも身近に生息していて簡単に見つけることができるということでした。

 その名も「ホタルミミズ」。北海道と沖縄を除いた日本各地で発見されていて、世界でもさまざまな国から報告があり、世界中に分布しているようです。しかも、見つかる場所が公園や学校のグランドわきなど、かなり身近な場所にくらしているようです。それならば水族園でも見つかるのではないかと思い、探して見たところ案外あっさり見つかりました。


ホタルミミズを発見した場所。毎朝歩いて通勤している水族園の作業用通路のわき

 ホタルミミズを見つけやすいのは、土がふかふかで草木がたくさん生えているようなところよりも、砂混じりの少し硬くなってしまったような土で、草もまばらにしか生えていないような場所です。探す目印はミミズ特有の糞塊(ミミズがお尻から出した細かな土粒のかたまり)です。ホタルミミズの糞塊はとても小さな粒でできていて、これを見つけられれば後はシャベルで軽く掘るだけです。


ホタルミミズの糞塊はとても小さな粒でできている。これがわかってからは10分間で2~3匹は見つけられた

 長さが3~4センチ位の少し透き通った感じのミミズが見つかったら、暗闇で刺激してみます。黄緑色に光ったらホタルミミズ確定です。ホタルミミズが見つかる時期は地域によって前後はあると思いますが、12月から4月くらいまでで寒い季節限定です。みなさんの家の近くでも探してみてください。


暗さに目が慣れてからホタルミミズをピンセットなどで
刺激すると、発光する粘液を出す行動が観察できる

※特設展「発光生物」ではホタルミミズは展示していません。

関連記事
続・新たな視点で見てみると(59)水族園の周辺にくらす発光生物[1]──ウミサボテン(2016年7月1日)
続・新たな視点で見てみると(61)水族園の周辺にくらす発光生物[2]──ヤコウチュウ(2017年3月10日)

〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

(2017年03月17日)


ページトップへ