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続・新たな視点で見てみると(61)水族園の周辺にくらす発光生物[2]──ヤコウチュウ
 └─2017/03/10

 だいぶ前の話になってしまいましたが、当シリーズで葛西臨海水族園の沖に広がる浅瀬「三枚洲」を調査した時に採集した発光生物、ウミサボテンについてお伝えしました。

続・新たな視点で見てみると(59)水族園の周辺にくらす発光生物[1]──ウミサボテン(2016年7月1日)

 この調査では小型のプランクトンネットを引いて、海中を漂うプランクトンの採集もおこないました。短時間ネットを引いただけですが、甲殻類(エビ、カニ、フジツボ)や多毛類(ゴカイのなかま)の幼生、小さなケイソウ類など多くの種類のプランクトンを観察することができました。


水族園の小型ボートでプランクトンネットを曳航。背景には隣のアミューズメント施設の豪華客船が見える

 採集したプランクトンを集めたプラスチックびんをよく見てみると、水面近くがうっすらオレンジ色になっています。「これはアレがいるに違いない!」と思い、そのオレンジがかった海水を顕微鏡で観察すると……やはりいました。直径1ミリ程の透き通ったつぶつぶ、名前は割と知られている発光生物ヤコウチュウです。

 ヤコウチュウについてはこのシリーズでも過去に3回紹介しています。

・新・新たな視点で見てみると
  (26)暗闇に青く光り、集まって赤く見える「ヤコウチュウ」(2011年5月27日)
  (39)貪欲に食べる「ヤコウチュウ その2」(2012年5月18日)
  (40)華麗に光る「ヤコウチュウ その3」(2012年6月1日)

 水族園のすぐそばで採集したヤコウチュウ。みなさんにも見ていただきたいと思ったので、今までえさをやりながら飼育してきました。現在、3月に新規オープンした特設展「発光生物」で展示をしているので、ぜひ見に来てください。(展示生物は予告なしに変更することがあります。お早めに!)


最初の25秒間は実際の速度ですが、その後は発光を
よく見るためにスローモーションになっています。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

(2017年03月10日)


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