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タコベラ登場! 名に“タコ”とつきますが魚です
 └─2016/01/22

 今年のお正月休み、みなさんは「凧揚げ」(たこあげ)には挑戦しましたか? 凧(地域によっては「いか」「いかのぼり」とも)の語源は、凧が紙の尾を垂らして空にあがる姿が、海にすむタコやイカに似ているからという説もあるそうです。

 葛西臨海水族園には、凧と同じようにタコが名前の由来となった魚がいます。「東京の海」エリア「伊豆七島の海3」水槽で昨年の12月から展示しているタコベラです。タコベラは全長12cmほどのベラ科の一種で、相模湾以南、インド・太平洋域の砂地や岩礁、サンゴ礁域に幅広く生息しています。


タコベラの尾びれとマダコ

 一般的な魚と比べると、タコベラの尾びれは少し変わった形をしています。さらに成熟したオスは尾びれの上部と中央部が複数に分かれて伸びます。メスでは尾鰭の上部のみ伸びます。この尾びれの形が腕を広げたタコに似ているため、この名前がついたと言われています。

 現在展示しているのは全長7センチほどの未成魚で、尾びれの伸び方はまだあまり目立ちません。タコベラは「雌性先熟」の性転換(初めにメスとして成熟し、その後オスに変わります)をおこなうため、今後成長する過程で、尾びれがどう変化していくかご注目ください。


タコベラの尾びれの開閉

 さて、このように尾びれに特徴のあるタコベラですが、水槽でこの魚を観察してみると、ふだんは尾びれを閉じて過ごしていることが多いようです。水中でホバリングするときには尾びれを大きく開くこともありますが、岩の周りを泳ぎ回ったり急いで移動したりする時には尾びれをキュッと細く畳んでいます。

 広げた尾びれと閉じた尾びれでは形がずいぶん異なるため、尾びれの形を想像しながらタコベラを探すとなかなか見つけることができないかもしれません。写真を元に探してみましょう。タコベラを見つけたら尾びれの形と動きをじっくり観察してみてください。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 三浦絵美〕

(2016年01月22日)



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