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全身で「年末らしさ」を表現!? ブルームテールラス
 └─2015/12/25

 12月も終盤。いよいよ今年も押し迫ってまいりました。12月と言えば「クリスマス」。ということで、やや強引ですが、クリスマスカラーの魚をご紹介しましょう。


 その名は「ブルームテールラス」。葛西臨海水族園「世界の海」エリアの「紅海」水槽で展示しているベラのなかまで、メガネモチノウオ(ナポレオンフィッシュ)でも知られるモチノウオ属の一種です。西インド洋から紅海にかけて生息し、成長すると全長50センチを超える大型のベラです。

 葛西臨海水族園で飼育展示している個体は全長およそ25センチのまだまだ若い個体です。鮮やかな緑色にピンクの斑点が散りばめられた姿は、オーナメントをたくさんつけたクリスマスツリーのようにも見えます。しかし、その鮮やかな体色も大きくなるにつれ変化していきます。斑点も小さく目立たなくなり、体全体も鮮やかな緑から濃い青緑になっていきます。


水底に降り、水槽前のアクリルに寄りかかるようにしているブルームテールラス

 水槽の中でもよく目立つ魚で、他のモチノウオ属の魚同様、目をキョロキョロと動かし、あちらこちらを見ているようすはなかなか愛嬌があります。午後4時を過ぎたころには眠くなってしまうのか、水槽前のアクリルに寄りかかるようにして水底に降りている姿をしばしば目にします。そんな自由奔放な雰囲気も憎めない魚です。

 ブールムテールラスを日本語に訳すと「ほうきの尾をもつベラ」となり、名前のとおり「ほうき」のような大きな尾ひれも特徴の一つです。クリスマスが終われば一気に世間は年末へ突入。ほうきを持って大掃除をする方も少なくないのではないでしょうか。おうちの片づけが終わり、無事に新年を迎えたあとは、愛嬌あふれるブルームテールラスに会いにぜひお越しください。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 増渕和彦〕

(2015年12月25日)


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