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フンボルトペンギンのいぬ間にひと泳ぎ
 └─2015/12/18 

 現在、葛西臨海水族園の「ペンギンの生態」エリアでは、オウサマペンギン、イワトビペンギン、フンボルトペンギン、フェアリーペンギンの4種を展示しています。それぞれが上手く棲み分けていて、大きなトラブルはありませんが、どうやらオウサマペンギンは、フンボルトペンギンを避けているようです。 


悠々と泳ぐオウサマペンギン

 展示場内のプールでは、日中のほとんどの時間、 100羽を超えるフンボルトペンギンたちが悠々と泳ぎ回っています。とくにえさの時間(10:30と15:00)になると、お互いにぶつからないのか心配になるほどの速さでプールの中を右へ左へ激しく行き交います。 


岩の上で「待機中」のオウサマペンギン

 この時間、オウサマペンギンたちはまったくと言っていいほどプールに近付こうとしません。おそらく目の前を通り過ぎるペンギンたちが障害物となり、自由に泳ぐことができないのが嫌なのでしょう。 


フンボルトペンギンがプールから陸に上がると……

 しかし、えさの時間が終わり、フンボルトペンギンたちが食休みのために次々に陸に上がり始めると、オウサマペンギンたちは待ってましたと言わんばかりにプールへ向かって歩き出します。そして、フンボルトペンギンがほとんどいなくなった広々としたプールの中を矢のような速さで縦横無尽に泳ぎ回るのですが、フンボルトペンギンたちが食休みを終えてプールに戻ってくるころには、すでに陸に上っていきます。こうした両種の微妙な駆け引きを、展示場では毎日のように見ることができます。 

 オウサマペンギンは、なめらかな流線型の身体とペンギン類の中でもっとも大きな翼をもっています。ペンギン類では、ジェンツーペンギンが最高時速36キロで泳いだ記録が残っていますが、専門家によると、オウサマペンギンの方が速く泳げるのではないかとも考えられています。オウサマペンギンたちが泳ぐ時間帯(11:00頃と16:00頃)を狙って、その速さを葛西臨海水族園で実際にごらんになってはいかがでしょうか。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 山本達也〕 

(2015年12月18日)


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