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自慢のノコギリを使います──ノコギリザメのえさの食べ方
 └─2015/07/31

 葛西臨海水族園「世界の海」エリアの「深海III」 の水槽では、ノコギリザメを展示しています。

 ノコギリザメは日本近海の浅瀬から深海と幅広い水深の砂泥底に生息しており、全長は最大で約 1.5メートルに成長するサメのなかまです。なんと言っても、吻(ふん)と呼ばれる頭の先端がノコギリ状になっているのが最大の特徴です。このノコギリ状の吻には感覚器官も備わっており、砂に隠れている獲物を探すほか、獲物を捉える役割があると考えられています。


 ノコギリザメは2014年2月から展示を始め、以前の記事でもご紹介しました。

初登場!ノコギリザメの展示(2014年2月14日)

 展示を始めた当初はなかなかえさを食べてくれませんでした。さまざまな種類のえさや方法を試したのですが、何も食べない期間が長く続きました。飼育係も頭を悩ませながら、棒の先にアジやイカなどをつけて口に近づける作業を毎日根気よく続けたところ、ある日ガツン!とえさに食らいついてくれました!

 えさを付けた棒を口に近づけると、ノコギリザメは頭を左右に素早く振り、ノコギリ状の吻で払い落とそうとします。ノコギリを使ってえさを食べることは本などで読んでいましたが、その行動を初めて見て、あらためてこのノコギリの部分は飾りではないのだなと実感しました。

 現在2尾のノコギリザメを公開していますが、どちらもえさをよく食べています。えさは週に2〜3回、おもに午後に与えています。ノコギリザメのえさの時間に立ち会えたときはどのような行動をとるか、じっくり観察してください。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 遠藤周太〕

(2015年07月31日)


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