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ひかえめな春を探しに水族園へ
 └─2015/04/25

 初めて訪れるのになにか懐かしい、なぜかほっとする。そんな空間が葛西臨海水族園にあります。その空間で今、ひかえめな春が感じられます。

 館内で「世界の七つの海」を冒険したあとは、そのまま帰らず、ちょっとだけ遠回り。そこには、本格的に都市開発がおこなわれる前の東京近郊の水辺が再現されています。林や草原に囲まれ、左右に大きく蛇行する川沿いの小道を「ゆっくり」歩いて楽しんでください。

 
左:シラン  右:タラの芽

 川沿いには、ひかえめで可憐な花を咲かせる山野草が私たちの目を楽しませてくれます。今、シランが見ごろで、足もとの新緑のなかで紫の花がひかえめなアクセントとなっています。また、あっさりとしてほのかな風味を味わえる山菜も見られます。今、人の背丈ほどのタラノキの先端に、小さな新芽(タラの芽)が芽吹いています。さらに、川のほとりの「湿地の生態」展示では、しろかきが終わった田んぼに群れおよぐ小さなオタマジャクシの姿など……。


田んぼのオタマジャクシ(アズマヒキガエル)

 派手さはないけれど、どこか懐かしく、なぜかほっとする空間がそこには広がっています。急がずゆっくり歩いて、お楽しみください。まだまだ、ひかえめな春がありますよ。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 田辺信吾〕

(2015年04月25日)


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