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水族園の隠れ名人、プレイス
 └─2015/03/20

 葛西臨海水族園の「世界の海」エリア「北海」の水槽では、プレイスというカレイのなかまを展示しています。


プレイス

 プレイスは北海の浅瀬から水深約 100メートルの砂や砂泥地にくらし、おもに砂に隠れているゴカイなどの底生生物を食べています。体にオレンジ色の斑点がちりばめられているのが特徴で、最大で全長 100センチに成長し、20年近く生きることが知られています。また、イギリスを代表する料理の「フィッシュアンドチップス」に使われることもあり、北海周辺の北欧の国々では水産上重要な種でもあります。

 さて、カレイのなかまというと、みなさんもよくご存知のように平たい体をしており、ふだん砂の中に潜って隠れていることの多い魚です。


「北海」の水槽の砂地

 一見すると、どこに隠れているのかわかりませんが、水槽の砂地をよく観察してみると、クリッとしたつぶらな目が砂から出ています。砂から出した目をキョロキョロと動かして、周りのようすをよくうかがっています。


砂から出ているプレイスの目

 展示水槽ではいつも砂に潜ってじっとしていることが多いプレイスたちですが、砂から出てくるときもあります。それはえさの時間です。えさの時間が近づくと「えさはまだか」といった面持ちで、砂から出てきてそわそわと泳ぎ回ります。えさを与えると「待ってました!」と言わんばかりに、えさのサクラエビやオキアミをバクッ、バクッと勢いよく食べます。プレイスたちがよく姿を見せているときは餌の時間が近いのかもしれません。

 隠れることがうまく、地味で目立たないプレイスですが、「北海」の水槽をご覧になる際は、どこに隠れているか探してみはいかがでしょう。さて、全部で何尾隠れているか、わかりますか?

〔葛西臨海水族園飼育展示係 遠藤周太〕

(2015年03月20日)



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