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クロマグロ等の展示数の減少について
 └─2015/01/14

 葛西臨海水族園の「大洋の航海者:マグロ」水槽で、クロマグロ等の個体数が減少しています。水槽にはクロマグロ、スマ、ハガツオがいますが、2014年12月上旬からスマとハガツオの死亡が続き、12月下旬からクロマグロも連続して死亡しています。


クロマグロ(2014年12月1日撮影)

 通常、これらの魚を水槽に搬入した際、初期に死亡が観察される事例はありますが、今回の事態はこれまで経験がありません。これまで専門家への相談にもとづいて投薬をおこなうとともに、ストレスとなりうる刺激(明るさの変化、工事や作業による振動や音など)を極力排除するよう取り組んできましたが、死亡が続くため、病理診断の検査結果を待たずにお知らせいたします。

 現在、原因の究明に努めるとともに、対策を検討中です。大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力をいただきますようお願いいたします。

◎「大洋の航海者:マグロ」水槽について
  直径約30メートル、最大水深7メートル、水量約2,200トン

◎個体数
種名2014年11月1日2015年1月14日
クロマグロ
69
17
スマ
52
4
ハガツオ
38
9

◎参考

●クロマグロ(スズキ目サバ科)IUCNレッドリスト:VU(絶滅危惧II類)
学名:Thunnus orientalis
英名:Bluefin tuna
体長:約3m
体重:約300kg
分布:日本各地の沿岸、北太平洋に広く分布
生態:野生では全長3m、重量300kgを超す個体もある。最高遊泳速度は時速80kmに達するとされている。流通名はホンマグロ。寿司ネタ、刺身のトロや赤身として、高額で取引されている。現在、クロマグロ資源の減少が世界的に危惧されている。

●スマ(スズキ目サバ科)
学名:Euthynnus affinis
英名:Kawakawa
体長:約1m
体重:約10kg
分布:インド洋、太平洋の温帯から熱帯域に広く分布
生態:カツオの仲間で、沿岸域が強く、カツオほどの大群は作らず、小さな群れを作り回遊する。定置網や引き縄で漁獲される。食用魚として美味。

●ハガツオ(スズキ目サバ科)
学名:Sarda orientalis
英名:Striped bonito
体長:約50から60cm
体重:約5-8kg
分布:全世界の温帯から熱帯域に広く分布
生態:カツオの仲間で、沿岸性で大きな群れをつくることがある。カツオやマグロ類などとコンエイの群れを作ることもある。定置網や引き縄などで漁獲され、食用としても美味。

(2015年01月14日)


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