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深海から悪魔のサメ、ミツクリザメがやって来た(11/16に公開中止しました)!
 └─2014/11/07

※追記:ミツクリザメは、2014年11月15日から遊泳のようすが安定せず、11月16日もときおり泳ぎを止めて水槽の底に沈むような行動が見られるようになったため、16日16時ごろ非公開水槽に移し、経過観察をしながら治療にあたっています。現在展示しておりませんのでご了承ください。

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 葛西臨海水族園ではこのたび、英名でゴブリンシャーク「悪魔のサメ」と呼ばれるミツクリザメを展示しました(ミツクリザメ到着のニュースと水槽での動画はこちら)。

 ミツクリザメは、成長すると全長 3.5メートルになる深海性のサメです。特徴的なあごの構造をもっており、えさを捕まえるときなどに、あごを大きく突き出すようにしてかみつくのではないかと考えられています。あごを突き出したときの顔は、まさに「悪魔」のような形相です。

 今回の個体は、駿河湾の水深約 100メートルで刺し網によって捕獲されました。11月1日の夕方に水族園へ搬入し、「世界の海」エリアの「深海の生物3」水槽で展示中です。

 水槽に入れると初めは斜めになったりしながらフラフラと泳いでいましたが、しばらくすると水槽の壁やアクリルガラスを認識し、しっかりと泳ぎ出しました。水族園では過去に何度かミツクリザメを搬入しましたが、今回の個体は今までの個体よりもとても良い状態です。

 さっそく給餌しようと、えさを棒の先に付け、泳いで来るミツクリザメの前に差し出してみました。何度かくり返しているうちにえさの前で止まり、じっとえさを見つめる姿が観察されました。あの「悪魔の形相」が見られるか!?と興奮しましたが、残念ながら食い付くことはなく、ふたたびゆっくりと去って行きました。

 ミツクリザメはとても飼育が難しい魚のひとつで、葛西臨海水族園での最長飼育記録は2002年4月の2週間です。今回はこの記録を塗り替えたいと思います。そして、まだまだ知られていないミツクリザメの生態解明に挑戦します。

 状態がよく元気に泳ぐミツクリザメを見に、お早めに水族園にお越しください(追記:公開は終了しました)。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 雨宮健太郎〕

(2014年11月07日)
(2014年11月16日)



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