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さまざまな表情を見せるキンメモドキ
 └─2014/08/22

 「東京の海」エリアの「小笠原(磯)」の水槽で、キンメモドキの群れを間近で観察できるようになりました。

 キンメモドキは、透き通った美しい体をもち、全長7センチほどになる小型の魚です。大きな群れをつくることでも知られ、その数はときに数千、数万にも達します。日本では、千葉県以南に分布し、岩礁域やサンゴ礁域などの浅い海で見られます。昼間は岩やサンゴの下、洞窟などで群れをつくって隠れ、夜になると餌を求め、外に出て活動します。

 水槽は、洞窟に似せてつくった擬岩で前後に仕切り、手前に暗い洞窟の内部、奥に岩のすき間から見える明るい海を再現しています。キンメモドキは、他の魚による捕食の危険を避けるため、奥側で展示をしていましたが、隅にいることも多く、その姿を十分に見せることができていませんでした。

 今回、キンメモドキを手前の洞窟側に展示し、その姿や、一塊になって移動する様子をよく見えるようにしました。変更に際し、洞窟側のアカハタとアカマツカサをいったん取り出しました(取り出した魚は他の水槽での展示を検討中です)。

 このほか、水槽内にはアカイセエビやコブセミエビといった大きなエビがいるため、襲われたりしないか心配しましたが、キンメモドキは群れで器用にエビをよけていきます。当初は気にする様子を見せていたエビも、今ではあまり気にならなくなったようです。

 お互い身を寄せあうように群れをつくり、いっせいに移動する様子は迫力を感じます。また、洞窟に射し込む光が透き通った体にあたるときらきらと輝いて見え、幻想的な光景も見ることができます。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 戸村奈実子〕




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