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青い悪魔、ブルーデビルの素顔
 └─2014/07/18

 「ブルーデビル」と聞いてみなさんはどんな魚を想像しますか? 日本語に訳すと青い悪魔というこの魚は、葛西臨海水族園世界の海エリアの「オーストラリア南部」水槽で展示しています。

 ブルーデビルはオーストラリア南部から南西部沿岸の水深の浅い岩場の岩穴や岩棚に単独ですみ、魚や貝、エビなどを食べます。比較的小型の種が多いタナバタウオのなかまですが、ブルーデビルは全長が最大36センチとかなり大きくなります。

 名前の由来は分かりませんが、名付けた人は暗い岩穴の中で青色の大きな体に長く伸びたひれをたなびかせる姿が悪魔のように見えたのかもしれません。

 青い悪魔と呼ばれるくらいだから恐ろしい魚なのではと思った方もいらっしゃるのでは? じつは名前の印象とは違い、シャイでおっとりとした性格の魚です。水槽の隅や岩陰に隠れていることが多く、動きもゆっくりしています。餌を目の前に落としても、じっくりと見定めてからパクッと食べ、また間をおいてパクッと食べるので、同居している動きの素早い魚に餌を横取りされてしまうこともしばしばあります。そのため、飼育係は素早い魚が餌を食べている隙にブルーデビルに餌を与えるくふうをしています。

 見た目の美しさもおっとりした性格も名前とは違う意外な一面をもつブルーデビルをじっくり観察してみてください。

写真:ブルーデビル

〔葛西臨海水族園飼育展示係 遠藤周太〕

(2014年07月18日)



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