ニュース
「地先の海」水槽の展示生物が変わりました
 └─2010/09/03

 葛西臨海水族園では、毎月一度、目の前の東京湾で地引網をおこない、どんな生物が生息しているのかを調査しています。

2010年8月の調査では、フグのなかまやコノシロなど、多くの魚を確認し採集することができました。また、ちょうど今の時期は水族園の近くではハゼ類が数を減らし、ヒイラギやギマなどが多く見られるようになります。

水族園には、こうして調査・採集した生物を紹介している展示水槽があります。場所はアオウミガメやウメイロモドキなどを展示している水槽とアマモを展示している水槽の間の2階部分で、今水族園の近くの海でどんな生き物が見られるかを知ることができます。

今回採集し展示した生物は、ギマやヒイラギ、ニベのなかまで、2010年9月1日に「地先の海」水槽に展示しました。ほとんどが数センチ前後の小さな魚たちで、こうした小さな魚が集まってくるのには理由があります。

 水族園の近くには小規模ながら干潟があり、その周辺は川からの栄養が流れ込む、餌が豊富な海域です。浅瀬なので鳥に襲われる危険はありますが、大型の魚が侵入しにくいこともあり、小さな魚が集まって来やすいところというわけです。

 調査の結果から水族園周辺の浅瀬は、季節によってさまざまな種が利用していると思われ、東京湾の魚にとって重要な環境なのでしょう。

写真上:地引網を使った調査のようす
写真下:展示水槽

〔葛西臨海水族園飼育展示係 橋本浩史〕

(2010年09月03日)



ページトップへ