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水生のクモ「ミズグモ」展示──2006/08/11
 クモは巣をはったり、歩き回ったりしてくらしていますが、ただ1種だけ、水の中でくらすというユニークなクモがいます。その名はストレートに「ミズグモ」。ヨーロッパから日本に分布。水質のよい湿地や池沼でくらしています。ただし、北海道以外ではほとんど見られません。

 水中でくらす動物は、シュノーケルのような長い呼吸管を使ったり、体の一部に空気をたくわえたり、えらを使って水中の酸素を取りこんだり、さまざまな方法を使います。とくにミズグモは変わっていて、水草のあいだに糸をかけて巣をつくり、その中に空気を運んで「エアドーム」を作るのです。

 このミズグモを、井の頭自然文化園の水生物館で展示します! 名づけて「なぜおぼれない? ミズグモや水生昆虫の呼吸法」。ミズグモだけでなく、タガメ、タイコウチ、ミズカマキリ、マツモムシ、ゲンゴロウ、ガムシ、アメンボ、ミズムシなど、水中でくらす動物を展示するとともに、その行動と生態を解説します。

 会期は2006年8月12日(土)から10月1日(日)。

 体長は8~13ミリと小さいクモですが、ぜひじっくり見てください。ミズグモを飼育している国内の動物園・水族館は、井の頭自然文化園だけ。

 特別展には三鷹の森ジブリ美術館の協力をいただいています。現在、同館では、オリジナル短編アニメーション映画「水グモもんもん」を上映中(宮崎駿監督作品、2006年)。水中にエアドームの巣をつくるようすや、水中の生物の生態がきめ細かく描写されています。

 ジブリ美術館での上映期間は、2006年9月29日(金)まで。ジブリ美術館の入場券は全国のローソンで販売しています。くわしくは、下記リンクをごらんください。なお、井の頭自然文化園正門からジブリ美術館までの距離は、約500メートルです。

三鷹の森ジブリ美術館

写真上から
・水中のミズグモ
・水中につくった巣
・手の上に置いたミズグモ
・展示風景
・アニメーション映画「水グモもんもん」より

(2006年8月11日)



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