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新しく生まれ変わった「いきもの広場」
 └─ 2021/04/03
 以前お知らせしたとおり、井の頭自然文化園の「いきもの広場」は2020年4月から1年間かけて、大規模な整備をおこなってきました。作業は予定どおり終了しましたが、現在、木道のみご利用いただけるようになっています(仮オープンのお知らせ)。
 なお、井の頭自然文化園は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のため、現在臨時休園中です(詳しくはこちらのページをご覧ください)。

 今回は、1年間実施してきた作業をご紹介します。

 まず、2020年4月には踏み固まってしまった土をほぐしてさまざまな植物の発芽を促すため、原っぱエリアにショベルカーを入れて耕しました。さらに、広場に好ましくないアズマネザサなどの植物は根から取り除きました。
 その甲斐あってか植物はぐんぐん成長し、夏には大量のクモヘリカメムシや、広場での確認は初めてのクロメンガタスズメの幼虫、またここ最近では見られていなかったクルマバッタモドキの幼虫を確認しました。


耕耘作業のようすと、取り除いたササなど植物の山


左からクモヘリカメムシ、クロメンガタスズメの幼虫、クルマバッタモドキの幼虫

 カブトムシの産卵場所は少し暗い場所の方が適していると考え、比較的日当たりのよい場所から、日陰の涼しい場所へと移動しました。今年の秋から冬にかけて見られる幼虫の数に期待です。

原っぱエリアにあった「カブトムシの寝床」
日陰に移動した「カブトムシの寝床」

 そして、7月ごろには、新たに木道を設置するため職員総出で作業に取り掛かりました。セメントづくりや基礎の設置など、初めての作業ばかりで不安もありましたが、無事に仕上げることができました。
 生きものたちにも意外に好評?のようで、トンボやカマキリを間近で観察できたり、木道の下からはコオロギの鳴き声が聞こえたりしました。


木道の位置を決めて、基礎を設置

セメントづくり
木道の板の設置


完成した木道と、その上にとまるアキアカネ

 広場の中には大小2つの池がありますが、小さな子どもの場合、水際に行くだけでもなかなか大変です。そこで、間近に生きものが観察できるよう小さな池を設置したところ、トンボの幼虫やアメンボなどいろいろな生きものを観察することができるようになりました。


設置した小さな池の中に、ヤンマの仲間の幼虫を確認

 10月ごろからは、正門や解説看板、外周柵などの洗浄と塗装をおこないました。それに加えて、いきもの広場の"顔"ともいえる正門の看板もメンテナンスしました。ここで、広場の雰囲気が一新したように感じます。

外周柵の洗浄
正門の塗装


看板を取り外し、正門の塗装後にメンテナンスをした看板を設置

 2021年1月から2月には、洗浄してきれいに塗装し直した解説看板の設置と、木道を進んだ先に道標を設置しました。また、新しく180株ほどのカントウタンポポの苗を植えました。春先、黄色い花が広場内に咲き誇り、生きものたちが集まってくるのを楽しみにしたいと思います。

解説看板の設置
カントウタンポポの苗の植え付け


道標の設置作業のようすと、エリア名を書き完成した道標

 「いきもの広場であそぼう!」再開後には、もちろん自由に生きものを探したり捕まえたりすることができます。ご利用方法の詳細については、あらためてウェブサイトにてお知らせします。ぜひ、楽しみにしていてください。

(2021年04月03日)



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